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1988 年度 実績報告書

粘菌細胞の分化に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61304003
研究機関京都大学

研究代表者

竹内 郁夫  京都大学, 理学部, 教授 (90025239)

研究分担者 柳澤 嘉一郎  筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015899)
前田 靖男  東北大学, 理学部, 助教授 (50025417)
田坂 昌生  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90179680)
田仲 可昌  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (80091908)
岩淵 雅樹  京都大学, 理学部, 教授 (30000839)
キーワード細胞分化 / 発生 / 分子生物学 / 細胞性粘菌
研究概要

1.粘菌細胞の集合によってつくられる組織には2種類の細胞(予定柄および予定胞子)が分化する。予定胞子細胞に特異的に蓄積するmRNAに対応する遺伝子には予定胞子でのみ転写されるものと予定柄と予定胞子の双方で転写されるものがある。前者は予定胞子分化時に発現を開始し、後者は成長期から発現している。したがって後者のmRNAは予定柄細胞で選択的に分解される結果予定胞子特異的になると結論される。前者の2種類の遺伝子の5′上流域を含むDNA断片を粘菌細胞に形質導入した結果この遺伝子は発生段階および細胞型特異的に発現することがわかった。そのうちの一種は胞子特異抗原である胞子外被蛋白質をコードしている。トポイソメラーゼI活性を示さない突然変異株を単離し、この株の増殖と発生を野生株と比較した結果、この酵素は粘菌細胞の生存には必須ではないが、遺伝子発現の速やかな変化を促進すると思われる。
2.細胞外のpHが4-6の範囲では細胞は組織を形成することなく遊離状態で胞子あるいは柄細胞に分化する。pHが低い時には柄細胞の、高い時には胞子の分化が優性である。Ca^<++>感受性の蛍光色素をエレクトロポレーションによって細胞内に導入することによって細胞質内Ca^<++>濃度を測定することができた。この細胞にはcAMPを添加すると、きわめて短時間内に細胞質内Ca^<++>濃度が4倍に増加することがわかった。この事実は細胞の走化性反応における刺激の伝達に細胞質内Ca^<++>が関与することを示す。2種類の粘菌細胞の接着にかかわる糖蛋白質GP64およびGP80に対するモノクローナル抗体を作成し、糖鎖の細胞接着への関与について調べた結果、前者では関与が認められなかったが、後者では認められた。有性生殖過程のマクロシスト形成過程における細胞融合に関与する細胞表面蛋白質GP138の精製を行い、レクチン結合性について調べた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Fukuzawa,M.: J.Biochem.103. 884-888 (1988)

  • [文献書誌] Maeda,M.: Develop.Growth Differ.30. 573-587 (1988)

  • [文献書誌] Moriyama,R.: Cell Differ.23. 143-152 (1988)

  • [文献書誌] Ozaki,T.: Cell Differ.23. 119-124 (1988)

  • [文献書誌] Takeuchi,I.: Devlop.Gent.9. 607-614 (1988)

  • [文献書誌] Tasaka,M.: Differentiation. 39. 16-21 (1988)

  • [文献書誌] 竹内郁夫: "多細胞体制内における細胞分化の相互転換 "細胞分化の安定性と転換性"" 化学同人, 103-113 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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