研究分担者 |
松田 良一 東京都立大学, 理学部, 助手 (90165837)
赤坂 甲治 東京大学, 理学部, 助手 (60150968)
加藤 秀生 立教大学, 一般教育, 助教授 (30111610)
雨宮 昭南 東京大学, 理学部, 助手 (30011670)
嶋田 拓 東京大学, 理学部, 助教授 (70011559)
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研究概要 |
ウニ胚発生過程での原腸形成期に原腸構造を形成するのに重要な役割をすることを示してきた細胞外物貭コラーゲンが, 原腸期胚で認めることができた. その形態形成での役割はまだ推測の域を出ないが, 細胞外に原腸形成に伴なって多量に存在するようになるアリルスルファターゼのcDNAはクローン化され, その塩基配列も決定された. アリルスルファターゼの形態形成での役割を検討中である. 又, 細胞外物貭群のそれぞれのモノクローナル抗体を得て, それら物貭の胚葉ごとの分布, 細胞運動での役割を検討した結果, 中胚葉細胞に特異的であり, 原腸胚期におけるそれらの細胞運動と関連する細胞外物質を見出した. 又, 胚組織を構築する細胞外物貭ではないが, 外原腸を形成させる効果をもつペプチドが胚腔内に存在し, 細胞骨格形成に影響を与える可能性を見出した. このペプチドは精製され, アミノ酸配列も明らかになった. 現在, このcDNAのクローニングを試みつつある. 一方, 膜に局在するタンパク質のうち, 胃壁細胞でしか知られていなかったH^+,K^+ATPアーゼが原腸形成期以降に見出され, 中胚葉細胞の形態形成に重要な役割をもつことが明らかになった. このタンパク質をコードしている可能性の高いcDNAをクローン化し, 検討中である. 現在,このcDNA及びアリルスルファターゼcDNAをプローブとしたノーザンブロッティングによると, これらは原腸形成期を中心として転写されることが明らかになった. これらの転写制御について, DNAメチル化, 核蛋白貭のリン酸化,(ADPリボシル)化を検討し,モルラ期原腸胚期を中心として,それらの活性が高まることを見出している. そして, これらの阻害物貭により, 原腸形成阻害及び細胞機能の発現を検討した結果, 原腸形成には, モルラ期でのDNA及び核蛋白貭の化学修飾が関与し,又, 原腸形成期には直接これらの関与がある可能性を見出した.
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