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1986 年度 実績報告書

作物とその近縁種にみられる細胞質変異の分子的解明と育種的利用

研究課題

研究課題/領域番号 61304014
研究機関京都大学

研究代表者

常脇 恒一郎  京大, 農学部, 教授 (20026438)

研究分担者 木下 俊郎  北海道大学, 農学部, 教授 (10001421)
荻原 保成  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (40185533)
薮野 友三郎  大阪府立大学, 農学部, 教授 (50081485)
藤井 太朗  国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助教授 (90000249)
平井 篤志  名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023470)
キーワードイネ / コムギ / テンサイ / 葉緑体DNA / ミトコンドリアDNA / 小環状DNA / 細胞質雄性不稔 / 稔性回復
研究概要

本研究は3重要作物,イネ,コムギ及びテンサイとそれらの近縁野生種についてオルガネラDNAの分子生物学的研究を行い、その知見を細胞質変異の育種的利用に活用することを目的とする。以下に成果の概要を述べる。
1.イネとその近縁種・葉緑体ゲノムに関しては、RubiscoLS及びAFPsynthaseのβとεサブユニットをコードする遺伝子のクローン化を行い、全塩基配列を決定した(平井)。ミトコンドリアゲノムに関してはmtDNA断片のクローン化を行い、ars活性をもつ断片の単離に成功した(山口)。さらに、1雄性不稔細胞質より2つのプラスミド様DNA分子,B-1とB-2を単離し、クローン化した(藤井)。育種的利用に関しては野生稲βO系統より5型の雄性不稔細胞質とそれぞれに固有の稔性回復遺伝子を同定するとともに(新城),2栽培稲O.sativaとO.glaberrimaの間で相互細胞質置換を行い、後者の細胞質雄性不稔系統と稔性回復系統を育成した(薮野)。
2.コムギとその近縁種:3型細胞質についてrbcL及びpetA両遺伝子を含むctDNA断片をクローン化し、塩基配列の決定を行う一方(荻原),Ae speltoides,Ae triusicialisのctDNAの種内変異を調べ、これが遺伝的特性を異にする細胞質の予備選抜法として効果的であることを証明した(常脇)。また、コムギプロトプラストの光合成活性に対する3異種細胞質の効果を調べた(渡部)。最後に、【S^u】型細胞質により誘発された半数性未熟胚より高い復原能をもつカルス系統を確立し、随時、半数体を多量に育成することに成功した(向井)。
3.テンサイとその近縁種:野生ビートク系統の細胞質を栽培ビートに導入し、その中に4型の雄性不稔細胞質を同定した(木下)。次いで、各型細胞質のctDNA,mtDNA及び小環状DNAの分析を行い、それぞれが固有の細胞質ゲノムをもつことを証明した。さらに、Beta属11種のctDNAの物理地図を作成した(三上)。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Ichikawa,H.: Theoretical and Applied Genetics. 72. 353-358 (1986)

  • [文献書誌] Kinoshita,T.: Proceedings of the 14th International Genetic Congress. -. (1986)

  • [文献書誌] Kishima,Y.: Plant Molecular Biology. 7. 201-205 (1986)

  • [文献書誌] Kishima,Y.: Theoretical and Applied Genetics. 73. 330-336 (1987)

  • [文献書誌] Meng,B.Y.: Plant Science. 47. 181-184 (1986)

  • [文献書誌] Mikami,T.: Current Genetics. 10. 695-700 (1986)

  • [文献書誌] 荻原保成: 遺伝学雑誌. 61. 607-608 (1986)

  • [文献書誌] 寺地徹: 遺伝学雑誌. 61. 623-624 (1986)

  • [文献書誌] 山口彦之: 育種学雑誌. 36(別冊2). 310-311 (1986)

  • [文献書誌] 渡部信義: 育種学雑誌. 36(別冊1). 324-325 (1986)

  • [文献書誌] Watanabe,N.: Annual Wheat Newsletter. 32. 84 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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