研究課題/領域番号 |
61304015
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
沖野 啓子 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (70000247)
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研究分担者 |
佐竹 徹夫 北海道農業試験場, 作物部, 室長
平岡 洋一郎 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (20145113)
島本 義也 北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)
蓬原 雄三 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023405)
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キーワード | ストレス耐性 / 環境汚染物質 / 耐冷性 / 遺伝的多様性 / 混播草地 / 作物と病菌の相互作用 / 集団内遺伝変異 / 培養細胞 |
研究概要 |
前年度同様、2班に分れ、A班はストレス耐性の変異調査とメカニズム解析を、B班は生体遺伝学的立場からストレス回避の基礎的研究を行った。最終年度であるので、各自実験を続行すると共に統計的解析や総合的とりまとめを行った。 A班では土壌環境のストレスを対象として根の行動の遺伝学的研究に進展があり、また乾燥(土壌の)抵抗性と特定の主働遺伝子との関係が示唆された。低温ストレスに対しては、低温耐性のイネ品種の遺伝子解析が進み、また品種比較試験や形質相関の研究からイネ耐冷性の強弱に関わると思われる4つの発育段階が指摘された。環境汚染物質としては大気中のNOxがとりあげられ品種間にみられる感受性の変異が明らかなった。生物的環境ストレスとしてはオオムギの赤かび病がとり上げられ、その抵抗性の遺伝解析が行われて量的遺伝子支配が明らかになった。培養細胞系を用いた研究では、耐塩性などを含む変異の誘発が効果的に行われ、また細胞レベルで選抜された薬剤耐性突然変異の個体レベルにおける遺伝実験が進み、その耐性が特異的な遺伝行動をすることが確められた。 B班では、牧草を用いた研究が2つ行われ、草種の混合による多様性や種子の大小による変異性が草地の適応性にいかに貢献するかが示唆された。またイネでも在来品種には多量の遺伝変異が含まれており、それが環境ストレスに対して緩衝作用をもたらしていることが推論された。イモチ病菌のレースの変動と栽培されるイネ品種の動向との関係が統計的に解析され、ある種の安定化選択が働いていることが示された。
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