研究課題/領域番号 |
61304016
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
江幡 守衛 名古屋大学, 農学部, 教授 (80023406)
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研究分担者 |
星川 清親 東北大学, 農学部, 教授 (60011871)
平野 貢 岩手大学, 農学部, 助手 (10003774)
本庄 一雄 岩手大学, 農学部, 教授 (20003759)
卜蔵 建治 弘前大学, 農学部, 助教授 (10003427)
佐々木 信介 弘前大学, 名誉教授 (90003417)
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キーワード | 冷害 / 被害推定 / イネ / 気温 / 稔実障害 / 冷温感受性 / 植物ホルモン / アメダス |
研究概要 |
1.減数分裂期頃は穂上花器官の発育が揃っており、障害を大きくする一因となる。この時期の冷温で花器官の発育は遅延し、冷温解除後も十分回復しない。交配実験で冷温による雌性障害が大きいことなどを明らかにした(江幡)。2.減数分裂期の稲にブラシノステロイド類を投与して、15℃、5日間の冷温処理を行なった結果、エピブラシノライド0.1ppmの施用により不稔の発生が軽減されることを明らかにした(田代)。3.成育初期の冷温処理継続期間と窒素施用量の差異が収量構成要素に及ぼす影響を調べ、多窒素施肥条件で長期冷温処理すると1株穂数、1穂粒数、登熟歩合などの収量構成要素が高まることを明らかにした(佐々木)。4.これまでの結果をもとに、水稲収量と有効積算温度との関係を青森県の稲作6地帯について検討し、昭和63年の冷害の推定を試みた(卜蔵)。5.10品種を用いた昭和63年7月の減数分裂期の気象資料と冷害不稔の発生歩合との関係から障害の予測式を検討した。またブラシノライド散布が低温下の粒重増加を促進する効果のあることを認めた (本庄)。6.前年に引き続き人工気象室の冷温処理および自然条件下における苗の種類と障害不稔との関係について検討し、苗の種類には本質的な耐冷性の差異はないことを明らかにした(平野)。7.穂厚期の冷温処理では発生する不稔が多いほど単為結果の役割も多い。単為結果穎果は伸長速度が遅く、子房の下部のみが肥大し、約50%は殻先端部まで伸長する(星川)。8.開花時に穎花の一部を除去して冷温処理を行ない、また茎葉と穂部を別個に冷温処理し、胚乳組織の形成に及ぼす影響を調べた。胚乳細胞数は穂部の低温で減少する。イネ穎果のシンク強度と細胞分裂活性の関連性が示唆された(中村)。
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