研究分担者 |
大西 敏夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (20027874)
大山 勝夫 農水省農業生物資源研究所, 細胞育種部, 部長
押金 健吾 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40021159)
久野 勝治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70092484)
本間 慎 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014941)
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研究概要 |
今年度に各分担者が行った研究で得られた新知見は次のようである。1.本間は栽培桑6品種の生長を比較検討し次の4つの生長のパターンを見いだした。(1)各期を通して良好な生長を示すもの、(2)初期生長は旺盛でその後弱まり早期に落葉するもの、(3)初期生長は劣るが7月以降旺盛なもの、(4)各期を通して生長の劣るもの等である。 2.久野は桑9品種の地上部器官における無機成分の消長について調査しN,P,K,ZnおよびFeの含有量がが生育前半に多い品種群Aグループと生育後半に多い品種群Bグループの2つに分かれることを見いだした。 3.押金は(1)培養カルスからの再分化実験,(2)コルヒチン処理培養芽における倍数個体の育成実験および(3)葯培養による半数体育成に関する実験などを行った。その結果ケグワ(6x)より胚様体形成と思われるものの発生がみられた。 4.大山はクワの腋芽培養による大量増殖法の検討を行った。2品種を材料とし、試験管内で育成した腋芽を寒天および液体培地を培養し増殖効率を観察した。MS基本組成にショ糖とホルモン(BA,NAA)を加えた培地に腋芽を置床し、25℃,3000〜5000Luxで培養した。その結果、寒天培地では培養30日目で5〜10倍の生長点を形成した。液体培養の場合も生長点の増殖効率は高く、両者を比較すると後者がやや勝つた。 5.大西は桑プロトプラストの単離作出,融合,融合後の安定な生長培養等の方法の改善や開発について検討した。その結果単離の際に植物化学調節物質を添加することにより、収率を高めることができた。またPEG法による融合においては【Ca^(++)】濃度,温度等について従来からの処方を改善することにより更に融合率が高上した。培養では細胞分裂まで観察できた。 6.柳沢は春切桑6品種と夏切桑6品種の内生生長物質の含量の品種間差異について検討した。IAA含量はログワ系に多く、またサイトカイニン含量は3倍体桑に多い傾向を示した。
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