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1988 年度 実績報告書

木材組織の周期構造的解析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61304024
研究機関京都大学

研究代表者

原田 浩  京都大学, 名誉教授 (30026497)

研究分担者 岡野 健  東京大学, 農学部, 教授 (30011927)
深沢 和三  北海道大学, 農学部, 教授 (40001408)
則元 京  京都大学, 木材研究所, 助教授 (20027163)
藤田 稔  京都大学, 農学部, 助教授 (60026599)
佐伯 浩  京都大学, 農学部, 教授 (40026498)
キーワード木材組織 / 木材の形態解析 / 周期構造解析 / フーリエ変換 / 木材の音響特性 / 木材の視覚特性 / 木材の誘電特性
研究概要

昨年度末には各分担研究者の中間成果をとりまとめて、中間成果報告書を作成した。昭和63年度の研究はこの中間成果の報告内容の検討から開始した。そして研究分担者相互の意見交換を行いながら、各々の研究を進め、昭和63年10月12,13の両日に、各分担課題の報告を行い、本総合研究の取りまとめについて討議した。主な討議内容は次のとおりである。
まず樹木の生育環境が生み出す年輪構造について、スギの樹冠率調整の影響と、臨海地域における塩害の影響についての解析例が報告された。そして1年輪内部の細胞壁密度変化や、これらの繰り返しによって生み出される年輪周期の解析法が提案された。これらの研究により良質材生産の観点、すなわち造林学的な立場に加えて、環境保全的な観点からも周期構造の解析が有用であることが示された。つぎに木材形態の中に含まれるミクロの周期性について、フーリエ変換法の適用事例が示された。そして二次元形態のフーリエ変換の結果であるパワースペクトルパターンの数学的解釈が可能となり、この方法が木材形態の異方性解明に重要な展開をもたらすであろうことが期待できるようになった。また広葉樹の道管分布について年輪内変動の樹種特性解明法が提案された。一方木材細胞壁中における化学成分分布の周期性については、これまでの課題であったセルロースミクロフィブリルの面配向についてその可能性が指摘されるという重要な問題提起がなされた。またリグニンについても、1年輪の早期に代謝・堆積されるものと、後期のものでは化学構造が異なることが指摘された。これに対して、木材の周期構造が及ぼす物性的効果について、楽器用材とくにピアノ響板における音響学的な解析結果と、木材の異方性解明に重要な意味を持つ誘電特性のシミュレーション結果が報告された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 藤田稔: 京都大学農学部演習林報告. No.60. 276-284 (1988)

  • [文献書誌] 藤原健: 京都大学農学部演習林報告. No.60. 269-275 (1988)

  • [文献書誌] 畑茂樹: 材料.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2014-12-15  

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