研究課題/領域番号 |
61304028
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田中 克英 岐阜大学, 農学部, 教授 (20021678)
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研究分担者 |
吉村 幸則 広島大学, 生物生産学部, 助手 (10167017)
上吉 道治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00021709)
島田 清司 名古屋大学, 農学部, 助教授 (40065579)
田名部 雄一 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021679)
小川 清孝 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40041610)
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キーワード | 鳥類の排卵 / プラスミノーゲン・アクチベーター / 黄体形成ホルモン / プロジェステロン / エストラジォール / 卵巣ステロイド合成 / 卵胞膜 / 微細構造 |
研究概要 |
1.ニワトリの卵巣顆粒層細胞のプラスミノーゲン・アクチベーター活性は排卵周期中に顕著な一峯性の変動を示すが、排卵に直接関与するとはみなし難いことが明らかとなった。 2.卵胞膜の破裂(排卵)はLHによってひきおこされるのみならず、プロジェステロンによってもひきおこされることが生体外摘出卵巣の潅流実験によって明らかとなった。 3.LHの排卵誘起作用はcyclic AMPを介して行われ、cyclic AMPは顆粒層細胞内のミトコンドリアがコレストロールを取込む時点とコレステロールが代謝されてプロジェステロンとなる過程との両者において発揮されることが明らかになった。 4.卵胞の卵胞壁は排卵に際して厚さがうすくなり、その構成組織の微細構造の変化が電子顕微鏡による観察によって明らかとなった。 5.卵胞膜の酸性及び中性プロテアーゼ並びにコラゲナーゼのいずれの蛋白分解酵素も卵胞膜破裂と密接に関係することが明らかになった。 6.卵胞におけるステロイド合成酵素の活性は排卵に近い時間の卵胞においてはプロジェステロン産生に関わるものが高く、それ以前の卵胞においてはエストラジォール産生に関わるものが高く、プロジェステロン産生酵素の役割が排卵に対して特に重要であることが明らかとなった。 7.LHの排卵誘起作用はステロイド合成阻害剤によって制御され、この抑制効果は排卵周期の進行に伴い低下することが明らかとなった。 8.卵胞のプロスタグランジンは卵胞膜の破裂に対して特に重要な役割を果していないものとみなされた。 9.卵胞においてステロイド特にエストラジォールは顆粒層細胞のLHに対する反応性を増大させる役割を果すことが明らかとなった。
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