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1986 年度 実績報告書

細菌性食中毒における毒素の役割と中毒防止に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61304030
研究機関大阪府立大学

研究代表者

阪口 玄二  阪府大, 農学部, 教授 (50081477)

研究分担者 小崎 俊司  大阪府立大学, 農学部, 助手 (10109895)
浅尾 努  大阪府立公衆衛生研究所, 主任研究員 (00250317)
品川 邦汎  岩手大学, 農学部, 助教授 (60133906)
植村 興  大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40081591)
キーワードボツリヌス菌 / ウェルシュ菌 / エロモナス / ブドウ球菌 / 神経毒 / エンテロトキシン / モノクローナル抗体
研究概要

ボツリヌス菌E型毒素に対するモノクローナル抗体を作製し、毒素分子の構造を解析した。毒素は少なくとも3種のドメイン(L,H-1,H-2)から構成されていることがわかった。アミノ酸配列から、LはN末端、H-2はC末端に位置し、さらに電気泳動,イムノブロッテング法による解析で、重鎖と軽鎖を結合しているSS結合は、LとH-1間に存在することが明らかになった。脳シナプトゾームを用いた成績から、毒素分子の神経細胞膜への結合はH-2が司ると考えられた。レセプターの一つと考えられているガングリオシドへの結合を解析した結果、H-2は糖鎖と、H-2は疎水部分であるセラミドと結合することがわかり、毒素の膜への侵入過程で、H-1は重要な働きをすることが予想できた。現在、他の型の毒素についても、同様の解析を進めている。ウェルシュ菌エンテロトキシンの有する細胞毒性を11種の培養細胞を用いて調べた。その結果、細胞は毒素に対する感受性の有無で2群に分類できた。感受性細胞であるVero細胞に対するエンテロトキシンの結合を解析したところ、細胞のレセプターは1種であることがわかった。エンテロトキシン耐性細胞はレセプターを有していなかった。モノクローナル抗体による解析から、エンテロトキシン分子には、レセプター結合部位と活性発現部位が異なることが示唆された。エロモナスは、物理化学的および免疫学的性状の異なる2種のヘモリジンを産生することがわかった。2種のヘモリジンは共にエンテロトキシン活性を有していた。ラット,ウサギ,モルモット赤血球が高い感受性を示した。ヘモリジンの赤血球膜への結合は、ジアシル型リン脂質、特に酸性リン脂質を介して起こると考えられた。ブドウ球菌エンテロトキシンに対するモノクローナル抗体を作製し、すべての型の毒素に反応する抗体を得た。現在、エンテロトキシン分子の共通抗原部位の検査を実施している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Sakaguchi,Genji: FEMS Microbiology Letters. 33. 23-29 (1986)

  • [文献書誌] Uemura,Takashi: Letters in Applied Microbiology. 3. 31-33 (1986)

  • [文献書誌] Horiguchi,Yasuhiko: Infection and Immunity. 52. 31-35 (1986)

  • [文献書誌] Kozaki,Shunji: Infection and Immunity. 52. 786-791 (1986)

  • [文献書誌] Asao,Tsutomu: Journal of Clinical Microbiology. 24. 228-232 (1986)

  • [文献書誌] Hayashi,Ken-ichi: International Jounal of Microbiology. 3. 311-320 (1986)

  • [文献書誌] Sakaguchi,Ginji;F.Dorner J.Drews eds.: "Clostridium botulium toxins.Pharmacology of Bacterial Toxins.International Encyclopedia of Pharmacology and Therapeutics.Section 119.519-548" Pergamon Press,Oxford,England, 8)748(519-54 (1986)

  • [文献書誌] 小崎俊司: "単クローン性抗体の獣医公衆衛生学への応用:特に食中毒起因毒素研究への応用.獣医学1987" 近代出版,東京, (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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