研究分担者 |
外崎 昭 山形大学, 医学部, 教授 (90004572)
高橋 國太郎 東京大学, 医学部, 教授 (10010034)
富田 忠雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (50078763)
久場 健司 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (60080561)
赤池 紀生 九州大学, 医学部, 助教授 (30040182)
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研究概要 |
昭和61年8月28日から3日間にわたり大津市に於て班会議を開催した。この班会議での報告の概要は次の通りである。 1.イオンチャネル開閉の分子機構に関して:口径の大きいマイクロピペットを用いる新らしいパッチクランプ法(井上),ゲート機構に関係する活性物質の結合部位間に負の協同現象が見られること(瀬山),チャネル蛋白分子のコンフォーメーションの変化は旋光分散の変化として捉えられること(渡辺),P物質はシナプス前線維に作用して活動電位発生を介しないグルタミン酸放出を起すこと(竹内),イセエビ歩脚神経筋接合部ではグルタミン酸はシナプス前線維の【K^+】透過性を上昇させ、この作用はGTP結合蛋白を介するものであること(川合),家兎および蛙について、それぞれ交感神経節細胞のムスカリン性受容体は多様なイオンチャネルを支配していること(小林,久場)が報告された。また更に副交感神経節細胞ではアドレナリンが Na/K輸送の制御に関与している可能性が示された(赤須)。 2.イオンチャネルの機能に及ぼす細胞内【Ca^(2+)】ならびに細胞内代謝産物の影響に関して:イカ巨大神経線維では細胞内【Ca^(2+)】がNaチャネルもKチャネルも閉塞すること(山岸),心筋の内向き整流電流はゲート機構を有するチャネルを流れ、このチャネルは細胞内【Mg^(2+)】によって閉塞される(野間),モルモット盲腸紐平滑筋の【Ca^(2+)】感受性Kチャネルでは【K^+】と【Na^+】との間に干渉が見られ(富田)、膵β細胞では陽イオンを互に殆んど区別しないイオンチャネルが存在すること(北里)が報告された。 3.チャネル蛋白の細胞内輸送に関して:ホヤ4細胞胚のNaチャネルの分化はアクチノマイシンDで抑制される(高橋),また特定の伝達物質に感受性を持つ細胞のみを選択的に取除く方法(福田)が報告された。
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