研究分担者 |
吉永 秀 熊本大学, 医学部病理学, 教授 (90040196)
山内 一也 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30072888)
村上 悳 山口大学, 医学部生理学, 教授 (90040518)
永坂 鉄夫 金沢大学, 医学部生理学, 教授 (80023646)
中山 昭雄 大阪大学, 医学部生理学, 教授 (80022763)
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研究概要 |
本研究の目的は, 発熱を単に"体温の上昇とこれにともなう体温調節反応の異常"としてとらえるのではなく, 生体のストレス防御機構の一つの症状としてとらえ, 発熱の本質と生体に対する意義を明らかにすることにある. 62年度の研究の大要は次の通りである. I.発熱物質投与後の応答の全体像について:1)ナキウサギ(pika)の発熱特性 小坂 2)絶食ラットの発熱反応:絶食による発熱の中枢・末梢機構の修飾 永坂 3)EP, ILτーαならびにTNFによる発熱反応と急性期反応 村上 4)発熱時の生体反応:PGE_2発熱時の交感神経系地域性反応 入來 II.発熱と感染・炎症との関連について:1)牛疫ウイルスの病原性と発熱 山内 2)ウサギ炎症局所で産生される発熱因子, ILτーβの遺伝子のクローニングとその構造 吉永 3)マウスに対する鉄の負荷が弱毒ペスト菌のウイルレンスを増強する現象 和気 III.発熱の中枢機構について:1)Prostaglandin E_2と体温上昇 中山 2)IL-τ, IFNα, TNFβの視床下部ニューロン作用機構 堀 昭和62年度は, これらの成果をふまえて12月8日(火)と9日(水)の両日東京において研究会を行った. 第一年度の研究成果をふまえて班員による共同研究のスタートしたものもあり, また多くの研究が"発熱症候群"というひろい立場を背景として行われるようになった. 3年目となる昭和63年度の研究成果が期待される. 本研究班の研究が終了する昭和63年度末までに単行書"発熱症候群"を刊行するとの昨年度の研究会での申し合せを受けて具体案を作成し, 昭和63年12月までに脱稿することとした.
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