研究分担者 |
山川 民夫 都臨床研, 所長 (00009862)
脊山 洋右 東京大学, 医学部, 教授 (90010082)
星 元紀 東工学, 理学部, 教授 (20012411)
石塚 稲夫 帝京大, 医学部, 教授 (10012725)
安藤 進 都老人研, 生化学, 室長 (30073000)
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研究概要 |
昨年度に引き続き細胞識別に関与する糖脂質の単離及び構造研究を行った. モルモット,棘皮動物,サザエ,貝類,ヒト,ブタ腎,PC12細胞から中性糖脂貭,ガングリオシド,ホスホノ糖脂貭硫糖脂貭を分離精製した. 各々の構造を決定,抗体を調製し,細胞膜系における分布,存在様式,作用機作を調べた(脊山,星,板坂,石塚,山形). 糖脂貭の構造解析には(+)FAB/SMS法,PDMS法が有用な手段であることを認めた(永井). ガングリオシドを単離精製する方法として特殊シリカゲルとイオル交換カラムを用いる高速液体クロマトグラフィーの二段階精製法を開発した(安藤). 微量分析法としてTLC/SIMSとLC/MS法を開発した(飯田). 味受容反応において膜表面に存在するGD_3は苦味ペプチドの膜への親和性を抑制することが判明した(大橋). Nーアセチルシアル酸モノオキシゲナーゼの活性測定法を開発した(谷口). ヒト胎盤からシアリダーゼを精製し,糖蛋白やオリゴ糖に比べGM_3,GD_<1a>によく作用するなど酵素学的諸性貭を明らかにした(宇田). ヒト胎児の肺の形態発生におけるSSEAー1系統の抗原の消長を調べた(神奈木). 家族性高コレステロール血症の動物モデルのWHHLウサギの血清とそのリボタンパク貭のスフィンゴ糖脂貭を分析した(武富). 無血清培養系のHLー60細胞の成熟顆粒球へ分化誘導物貭,シアロコレステロールを新しく見出した(斉藤). TPAによるHLー60細胞分化誘導で,GM_3が著明に増加することからGM_3合成にCーキナーゼの関与が考えられた(桃井). GA_1抗体は生体内投与と補体存在下の生体外でマウスNK細胞を殺傷することを見出した(内貴). 近交マウス臓器の糖脂貭解析によって5つの変異株を見出した(山川). ガラクトシアリドーシスの脂貭生化学的研究を行い, 種々の神経節や脊髄灰白貭においてGM_3,GD_<1a>,GD_3,GM_2の蓄積を認め,本症における神経障害の発現に深く関与すると考えられた(宮武).
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