研究課題/領域番号 |
61304039
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 正之 東北大, 医学部, 教授 (00025579)
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研究分担者 |
鈴木 秀吉 福島医科大学, 助教授 (30045637)
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
原 一郎 関西医科大学, 教授 (10148497)
中塚 晴夫 東北大学, 医学部, 助手 (70164225)
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キーワード | ガスクロマトグラフィー / 工業用ガソリン / 自動分析 / n-ヘキサン / ベンゼン |
研究概要 |
既存設置であるカピラリー・ガスクロマトグラフに新たにガスクロマト用自動注入装置およびクロマトデータ処理装置(演算用コンパクトフロッピーディスクを含む)を結合することにより自動分析系を確立した。工業用ガソリンには数十種類に上る溶剤成分が混在しているため内部標準を添加し得ず定量性の高い注入を行うことおよび目的とする成分の自動演算を行うことが工業用ガソリン分析には不可決の条件であるが、上記の自動分析系はこの2条件を満足し、目的成分であるベンゼンおよびn-ヘキサン、および常在的共存成分であるトルエン・エチルベンゼン・キシレン(3異性体)の既知量混合物を経日反復分析した場合、日内変動(5検体)および日間変動(5検体×5日間)はいづれも変動係数2%程度(最高3%)と高い再現性を示した。但し注入機構にはなお若干の問題があり、長期間反復使用に堪えるよう改良を進めている。東・中部・西日本からそれぞれ予備的に5〜10検体収集した約20検体について分析を行ったところ、ベンゼン含有量は最高1.5%程度で比較的安定しているが、n-ヘキサン含有量は0%から最高40%近くまで極めて広い変動幅を示し、工業製品の多様性を推定させた。このため多数の検体を収集することを目指しているが、検体収集上の問題点は産業職場では「工業用ガソリン」と呼ばないことで、予備収集段階での経験によれば成分未知のまま商品名自体で呼んでいる場合や洗浄油等の用途による名称、あるいは石油ベンジンなど成分呼称にやや近い例など変化に富む。この名称が不定であることは「自動車用ガソリン」の場合とは著しく異なる。このため目的とする「工業用ガソリン」(JIS規格による第1〜5号、よって石油エーテル・石油ベンジン・ミネラルスピリットなども含む)を産業職場の人達に理解出来るわかりやすい表現で呼び、効率よく収集するための検体を進めている。
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