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1986 年度 実績報告書

多発性硬化症の成因に関する研究:ヒト・レトロウイルスの探索

研究課題

研究課題/領域番号 61304044
研究機関東北大学

研究代表者

岩崎 祐三  東北大, 医学部, 教授 (00142927)

研究分担者 斎田 孝彦  国立療養所宇多野病院, 部長
吉田 光昭  癌研究会癌研究所, 部長 (80012607)
紫崎 浩  佐賀医科大学, 助教授 (30037444)
井形 昭弘  鹿児島大学, 学長 (00010207)
キーワード多発性硬化症 / レトロウイルス / 脱髄性疾患 / HAM / 脊髄痙性痳痺
研究概要

1)班員会議を6月9日、東京,癌研究所に於て開催、研究方針を検討した。
2)ワークショップ"神経疾患とレトロウイルス"を米国ウイスター研究所のHilary Koprowski博士を招き、10月17日京都・京大会館で開催した。39名が出席し多発性硬化症とHAMに関する研究の現況について、日米間で意見の交換と討論を行った。
3)厚生省免疫性神経疾患研究班(井形班長)と共同でHAMの全国アンケート調査を行い320症例を確認し、その分布がHTLV-1抗体保有者の分布に一致することを明らかにした。HTLV-1低浸透地域である北海道でも抗HTLV-1血清抗体が陽性の14例の痙性対痳痺の症例が発見され、うち8例では髄液の抗体も陽性、6例で異型リンパ球を認めた。
4)HAM患者21症例の未梢リンパ球を検索し、うち18症例にHTLV-1のproviral DNAと同定されたウイルス遺伝子が取り込まれていることを見いだしたがこれらの症例におけるprovirusの組み込み部位はランダムであると推論された。一例のHAM患者の髄液由来の細胞にもHTLV-1とhybridizeするpro virusを検出した。
5)髄液中の液性脱髄因子の有無をマウス小脳の器官培養を用いて検索、HAM患者18例中14例が陽性であったのに対し対照例では17例中4例が陽性であった。
6)多発性硬化症患者133例についてHTLV-1抗体の検索を行った。間接蛍光抗体法による陽性率はその地域のHTLV-1浸透率にほぼ一致していたが、RIA.Western blot法ではより高率に検出される場合もあったので、更に全国規模で検体収集を行ない再検討する予定で順備をすすめている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] DeFreitas,E.C.;Saida,T.;Iwasaki,Y.;Koprowski,H.: Annals of Neurology. 21. 215-216 (1987)

  • [文献書誌] Ohta,M.;Ohta,K.;Mori,F.;Nishitani,H.;Saida,T.: Journal of Immunology. 137. 3340-3343 (1986)

  • [文献書誌] Kuroda,Y.;Shibasaki,H.;Sato,H.;Okouchi,K.: Neurology. 37. 156-158 (1987)

  • [文献書誌] Osame,M.;et al.: Lancet. i. 1031 (1986)

  • [文献書誌] Osame,M.;et al.: Annals of Neurology. 21. 117-122 (1987)

  • [文献書誌] Yoshida,M.;et al: Lancet.

  • [文献書誌] 井形昭弘著 編:伊藤正男,桑原武夫: "脳の科学.免疫ε神経疾患" 同文書院, (1987)

  • [文献書誌] 岩崎祐三著 編:伊藤正男,桑原武夫: "脳の科学 ウイルスε神経疾患" 同文書院, (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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