研究課題/領域番号 |
61304048
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真崎 規江 阪大, 医学部, 助教授 (60028511)
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研究分担者 |
金田 浩一 癌研究会附属病院, 放射線治療部, 部長 (70085603)
新部 英男 群馬大学, 医学部, 助教授 (90008293)
森田 皓三 愛知県がんセンター, 第二放射線部, 部長 (50182241)
堀内 淳一 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90013870)
池田 恢 大阪大学, 医学部, 講師 (10028623)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / 非ホジキンリンパ腫 / 放射線冶療 / 化学療法 / 頭頸部のリンパ腫 |
研究概要 |
各研究分担者の所属する施設(7施設)において、1972〜1981年の10年間に冶療した悪性リンパ腫症例の総数は1534例である。これについてのデータを収集し、腫瘍部位,病理組織型,進展度別に、放射線冶療を主とした場合の冶療成績について検討した。 放射線冶療の最も良い適応となるのは頭頸部限局型の悪性リンパ腫であるが、放射線冶療による局所の完全寛解率は95%である。部位別,進展度別の冶療成績は、ワルダイヤ輪工期症例(76例)の5年生存率は83%であり、5年非再燃生存率は77%である。ワルダイヤ輪【II】期症例(180例)では、5年生存率が57%、5年非再燃生存率が50%であり、【I】期症例に比して低い。また、組織型別では、びまん性大細胞型(102例の5年生存率が64%であるのに対して、びまん性中細胞型(38例)のそれは31%と差がある。節外性部位の非ホジキンリンパ腫(193例)の内訳は、眼窩、25例;鼻腔、31例;副鼻腔、36例;口腔、31例;甲状腺、30例などである。5年生存率は【I】期症例(116例)では62%、【II】期症例(52例)では56%であり、5年非再燃生存率はそれぞれ59%、54%とほとんど同様の値を示す。しかし、組織型別では差が認められ、5年生存率は、びまん性小細胞型では91%、びまん性混合型で77%、びまん性中細胞型、および大細胞型ではいずれも52%である。 この冶療期間中の症例の大部分は放射線冶療単独で行われたが、一部に化学療法が併用された。しかし、化学療法併用による明らかな冶療成績の向上は認められていない。1982年以降の症例については化学療法が高率に併用されているので、この症例群についての検討が進行中である。
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