研究分担者 |
渡辺 俊一 信州大学, 医学部, 助教授
新部 英男 群馬大学, 医学部, 助教授 (90008293)
森田 皓三 愛知県がんセンター, 放射線治療部, 部長 (50182241)
堀内 淳一 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90013870)
池田 恢 大阪大学, 医学部, 講師 (10028623)
WATANABE Shunichi Shinshuu University Medical School
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研究概要 |
各研究分担者の所属する(7施設)において, 1972〜1985年の14年間に治療した悪性リンパ腫症例の総数は2032例である. これについてのデータを収集し, 腫癌部位, 病理組織型, 進属度(病期)別に, 放射線治療を主治療とした場合と, 化学療法を併用した場合の治療成績について検討した. 病理組織型の再確認が行われた非ホジキンリンパ腫は1514例である. 組織型が軽度悪性群に属す例は153例(10%), 中等度悪性群が1287例(85%), 高度悪性群が74例(5%)である. 臨床病期別ではI期:465例, II期:505例であり, 発生部位別では頚部リンパ節初発が26%, ワルダイヤ輪初発が43%, リンパ節外初発が31%であり, 組織型ではDHが55%で最も多く, DLPDが17%でこれに次ぐ. 1981年以前の症例の70%, 1982年以降の症例の33%が放射線治療単独であり, 1982年以降のII期症例の80%に化学療法が併用されている. 治療成績は全体では5年生存率がI期:65%;II期:46%であるが, 部位によって差があり, ワルダイヤ輪症例ではI期:86%, II期:68%と最も予後が良く, リンパ節初発型ではI期:65%;II期:37%と低い成績である. 一方, リンパ節外部位の症例はI期:67%, II期:48%である. 局所制御率は95%と高く, 照射部位からの再燃はほとんどみられないが, 遠隔部位の再燃はI期で27%, II期で52%に認められる. 化学療法併用例の成績は生存率では差が認められないが, 再燃の時期を6〜12ケ月遅延させる効果がある. ホジキン病の治療成績は5年生存率ではI期:81%, II期:67%であるが, 病理組織型によって差があり, LPでは91%, Nでは84%の5年生存率を示すが, MCのそれは65%と低い. 化学療法併用例と放射線治療単独別との間に差は認められない.
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