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1986 年度 実績報告書

受精周辺における生殖細胞に対する外的因子の影響

研究課題

研究課題/領域番号 61304051
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

八神 喜昭  名古屋市大, 医学部, 教授 (20079974)

研究分担者 鈴森 薫  名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (80117829)
広井 正彦  山形大学, 医学部, 教授 (60018364)
清水 哲也  旭川医科大学, 医学部, 教授 (20000979)
水野 正彦  東京大学, 医学部, 教授 (10010175)
キーワード受精周辺期 / 生殖細胞 / 初期胚 / 受精卵の凍結保存法 / 卵成熟抑制因子 / 亜鉛 / 染色体異常 / CDDP
研究概要

(1)卵胞細胞のA-Kinase,C-kinaseの活性化によりPGs産生が促進され、卵胞内卵細胞の成熟が促進された。一方、卵丘細胞除去卵ではA-Kinaseの活性化により卵成熟は抑制されるが、これにPGsあるいはC-Kinase賦活剤を作用させると成熟は促進された。すなわちPGsは卵一顆粒膜細胞間のgap junctionに作用し成熟抑制因子の卵内への移行を阻止するだけでなく、卵のC-Kinaseの系を直接活性化して卵成熟を促進する可能性も示唆された。
(2)哺乳動物卵の凍結保存法は受精卵については実用化をみているが、未受精卵では未だ確立されていない。そこでマウス未受精卵を用いて、高い生存率を示す新しい凍結融解法の開発に成功した。耐凍剤としては1.5MDMSO+0.25Msucroseを使用して緩速凍結を行った後、sucroseの5段階希釈法という新しい方法により、未受精卵凍結融解後の浸透圧障害や再膨張を軽減させ生存率を飛躍的に向上させることを可能にした。
(3)亜鉛は微量元素として生体においてタンパク合成に関係し、DNApolymerase、RNApolymerase等の構成成分として、その酵素活性に重要な役割を果している。しかし体外培養系においては、その濃度は生体内の1%程であることに着目し初期胚培養に亜鉛を補充した。生体内の約10%の濃度、またはそれ以上の濃度においても姉妹染色分体交換は上昇し胚発育は抑制された。よって体外初期胚培養では亜鉛の補充は不必要であると考えられた。
(4)DNA合成阻害剤による変異原性をみた報告は少ない。そこでCDDPの大量投与による体細胞、生殖細胞、受精卵、初期胚の染色体に及ぼす影響について検討した。実験動物には性周期の安定した雌チャイニーズハムスターを使用した。CDDPの大量投与による染色体異常発現頻度は体細胞において著しく増加するが、成熟分裂過程にある生殖細胞への影響は少ない。しかし体細胞分裂を開始した初期胚では多い。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 矢野哲,北川浩明,堤治,佐藤和雅,水野正彦: (1986)

  • [文献書誌] 矢野哲,提治,綾部琢哉,佐藤和雅,水野正彦: (1987)

  • [文献書誌] 矢野哲,提治,綾部琢哉,佐藤和雅,水野正彦: 哺乳動物卵子研究会誌. 3. 103-113 (1986)

  • [文献書誌] 清水哲也,高田久士,石川睦男: 産婦人科の実際. 36. (1987)

  • [文献書誌] 高田久士,浅川竹仁,石川睦男,清水哲也: 日本産科婦人科学会誌(講演抄録). 39. (1987)

  • [文献書誌] Hidekazu Saito: Fertility & Sterility.

  • [文献書誌] 勅使河原啓市,今泉克英,岡田節夫,鈴森薫,八神喜昭: (1986)

  • [文献書誌] Katsuhide Imaizumi: Asia- Oceania J. Obstet & Gynecol.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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