研究分担者 |
安岡 則武 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 教授 (40029054)
植木 龍夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (30029954)
甲斐 泰 大阪大学, 工学部, 助教授 (40029236)
相原 茂夫 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (20027197)
竹中 章郎 東京工業大学, 理学部, 助手 (80016146)
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研究概要 |
蛋白質の立体構造は蛋白質の機能の理解や蛋白質工学にための基礎的データを提供する. 分子の立体構造を明らかにするためにはX線結晶解析に適した結晶を必要とするが, 本研究において新たに多くの蛋白質の結晶化が行なわれその構造が研究されている. 田中(信)らはヘム修飾ミオグロビン,耐熱性菌から抽出したイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素, グルタチオン還元酵素等の構造研究に着手し, 主としてsitting drop法によって良好な結晶を得, 各々の初期的結晶学的データを得ている. 又, セルラーゼについては透析法によって結晶化を試みプレセッション写真の撮影に成功したがまだ良好な結晶化条件を見出していない. 分担者によって新たに構造研究が着手された蛋白質としては耐熱性菌からのDNA結合蛋白質(田中勲), MnーSOD(今野), 中等度耐熱性菌からのイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素(竹中),シクロデキストリン合成酵素(藤原,浜田), プロテアーゼーインヒビター複合体(山根),リボヌクレアーゼRh(中村)等をあげることができる. これらの中, 耐熱性からのイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素について精密回折データの測定を行なった. 本酵素の空間群はP3,2で格子定数はa=b=78.6ÅC=158Åで非対称単位中に二量体が一分子存在する. データ測定は4.5Å分解能まで四軸型自動回折計によってnative結晶,白金誘導体,金誘導体について収集した. 各々の誘導体について差パターソン関数,差フーリエ図を計算し重原子の結合位置を見出し精密化の後, 電子密度図を計算した. 得られた電子密度図は回転関数を考慮することによって解釈でき分子内に存在する割れ目等を同定できた. 高分解能のデータ測定は振動写真法で行なっている. 振動範囲は1.5度の範囲で0〜60度の撮影を行なった. 得られた写真を処理し得られた構造因子のR値は10%であった. 来年度は誘導体についても同様の測定を行う予定である.
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