研究分担者 |
長沢 滋治 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70029958)
坂本 亘 北海道大学, 歯学部, 助教授 (30001952)
佐々木 実 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10080003)
中西 重忠 京都大学, 医学部, 教授 (20089105)
鹿取 信 北里大学, 医学部, 教授 (50050365)
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研究概要 |
岩永らは, 昨年度に引続き鳥類の血中カリクレインーキニン系について検討を加え, トリ血漿中には高分子キニノーゲンが存在するにも拘ず, 血漿カリクレインは殆どなく, キニン系と連結した内因系凝固のトリでの存在を否定した. 佐々木らは, キニノーゲンとチオールプロテアーゼのモデルとしてパパインとの反応を調べた. 高分子キニノーゲンと低分子キニノーゲンとも1分子当り1.4モルのパパインを阻害したが, 両キニノーゲンの重鎖は2モルのパパインを阻害し, キニノーゲンの重鎖に2ケの結合部位のあることを明らかにした. 喜多村-中西らは, ラットの血中に存在するK及びT-I, T-IIキニノーゲンの遺伝子レベルでの発現様式の違いについて検討した. その結果, これらキニノーゲンを生成するためのRNAスプライシング効率の違いによって発現様式が規定されること, さらにこの効率の違いは3′側の遺伝子の2ケ所の領域によって支配されていることを證明した. 長沢らは, 白血球のカテプシンGはキニノーゲン中のキニンのCOOH末端が切断されればキニンを遊離することを確かめ, また白血球のエラスターゼは血漿カリクレインの共存下でMet-Lys-キニンを遊離するとした. 加藤らは, ラット血中からT-IとT-IIキニノーゲンを精製し, それらのNH2末端構造を決定するとともに, T-Iキニノーゲンのmicroheterogeneityについて検討した. 大石らはキニノーゲン欠損ラットを用いて, カラゲニン足浮腫の廃症が正常ラットより低反応性であること, またT-キニノーゲンは炎症局所でキニンを遊離しないことを明らかにした. 鹿取らは, 胸膜炎の他にエンドトキシンショックの際の血漿キニン系の動態を, キニン分解物のdes Phe-Arg-キニンを酵素免疫測定法により調べる方法を開発した. 坂本らも, カラゲニン浮腫をモデルとして, その際に遊離されるキニンを同定した. 山本らはモルモットのカリクレインーキニン系に検討を加えた.
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