研究分担者 |
前沢 博 東海大学, 医学部, 講師 (00138653)
宗像 信生 国立がんセンター, 放射線研究部, 室長 (50100152)
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
小林 克己 高エネルギー物理学研究所, 放射光, 助教授 (20114077)
伊藤 隆 東京大学, 教養学部, 教授 (00012245)
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研究概要 |
東大物性研SOR-RING BL-5に我々のグループが設置した, 生物試料用単色真空紫外線照射装置について(1)分光器にイオンポンプを増設し, (2)シャッターを高性能なものに作りなおした. (1)により, 光学素子の経時劣化はいちじるしくおさえられ光強度が極めて高いレベルに保持できるようになり, 大線量の必要な低分子試料も実験が可能となった. (2)により, 0.25秒から正確な照射が行えるようになり, T1ファージの失活のように極めて感受性の高い試料でも, 正確な照射が行えるようになった. この照射装置を用い, 2年間で合計149日の共同利用実験が行えた. 以下に結果を要約する. 乾燥試料. ジヌクレオチドの55nmまでの分解をTLCで測定し, dApdAの場合は5′側にリン酸の付いていない糖が選択的に分解される事を明らかにした(伊藤, 谷口). DNAからの脱塩基(A,T,G,C)をHPLCを用い150, 190nmで定量した(檜板). モノクロナル抗体を用いピリミジンダイマー生成の作用スペクトルを測定した(二階堂). スペクトルは180-220nmと260-280nmに同程度の高さのピークを示し, 180nm程度の真空紫外線でダイマーが生成される事を示した. T1ファージの失活(前沢, 鈴木)および枯草菌胞子の失活(宗像)を50nmまで調べた. リゾチニムの失活を60-190nmで調べた(小林). センダイウィルス外殻の吸収スペクトルの測定を行った(恵). 水溶液試料. スピントラップ法を用い160nm光による水分海産物を定量し, 溶存酸素の効果を調べた(桑原). ジヌクレオチドCpCを150, 180nm光で照射し, 分解産物をHPLCで定量した(高倉). 光音響スペクトル. 試料に吸着した水分子の光離脱による信号を初めて検出できた(稲垣).
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