研究概要 |
アメリカ大陸先住民アジア起源説という仮設モデルの検証を目的とする学際研究を、科学研究費補助金「重点領域研究」に申請するための準備調査、研究をおこなった。班員は、この課題を研究していく上で特に中心となる分野、考古,民族学(6名)、自然人類学(4名),第四紀学(3名),情報工学(3名)からなる16名であった。 1.既存の研究成果について 当課題と関連をもつ研究業績がすでに数多く蓄積されている。しかしそれらは、特定の地域や分野でおこなわれた個別的、散発的な専門的研究である。それらを現在の学問的水準に照らして評価しながら体系的に整理し、データベース化することが急務である。 2.鳥居龍蔵コレクシヨンについて 鳥居龍蔵がかつて海外調査で収集したコレクション(東京大学総合研究資料館所蔵)は当課題を研究する素材となる。今回そのデータベースを構築した。国内の各研究機関にある同種のコレクションを広範囲の研究,教育に役立つようにデータベース化することが急務である。 3.新規研究の計画について 当研究を、近年めざましく発展した生物諸科学の理論や新しく開発された研究技術,分析機器を導入して実施すれば、非常に斬新な成果を得られる見通しがたった。特に,古人骨の同位体分析,AMS年代測定、新遺伝標識を用いた集団遺伝学的研究が重要である。 4.海外研究者との協力について 当研究の実施に際して協力が得られた海外研究者を選録した(23名)。尚、米国メイン大学は、当課題と個別的ではあるが、趣旨を同じくする研究プロジェクトを計画中である。
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