研究分担者 |
田村 真一 東北大, 理, 助手 (60004371)
小暮 智一 京大, 理, 教授 (50025318)
小平 桂一 東大, 東京天文台, 教授 (60012845)
辻 隆 東大, 東京天文台, 教授 (20011546)
野本 憲一 東大, 教養, 助教授 (90110676)
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研究概要 |
恒星の表面に現れる元素異常や、ふく射流体力学的な現象は、恒星の内部の進化を表現している。この研究では、それらを総合的に振り返り、描像を作りあげると共に、本研究課題と同名の国際シンポジウムを準備するのが目的であった。 国際シンポジウムについては、野本憲一が中心となって科学組織委員会を国際的に構成し、科学的内容をつめた。国内組織委員会は辻隆が中心とって、いろいろな準備をすすめた。シンポジウムは62年9月1-4日に東京大学で開催することになっている。 学問的内容については、それぞれのテーマで議論しながら進めたが、それらの成果は「恒星の内部進化と大気現象」と題する研究会(62年1月19-21)集録にまとめられている。太陽や恒星の内部での流れや対流,降着円盤,質量放出,新星,超新星爆発,星の脈動現象等が中心であった。なかでも興味ありそうな、主なものは以下のようである。 星からの質量放出機構の基本問題が整理され、今後の研究方向が示唆された。太陽表面の細かい振動を解折して内部構造を探る陽震学が盛かんであるがそれを恒星についても行なうという「星震学」の可能性が検討された。超新星爆発機構については、それまでの数値的研究が十分に理解されなかったのは、爆発をすべてダイナミックスという観点から見ていたからだということが指摘され、それにかわるものとしてホモロガスは収縮とニュートリノによってドライブされる星風という描像がよいことが示された。 折しも62年2月24日に大マゼラン星雲に超新星が出現した。そこで急拠、この問題に関するワークショップを行なった。この超新星残骸が形成されるなかで、多くの情報が得られるであろう。本研究の成果や予定されている国際シンポジウムの意義は大きくなる。
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