研究課題/領域番号 |
61308024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 正則 東大, 医学部, 教授 (90009902)
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研究分担者 |
芳賀 達也 浜松医科大学, 助教授 (30011646)
田中 亮 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90094383)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
佐武 明 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)
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キーワード | ニューロン間の選択的結合 / ニューロン・グリア間認識 / シナプス機能発現と蛋白分子 / プロテインライブラリー / ニューロン・グリア分化の遺伝的制御 / 脳の形態形成と遺伝子発現 |
研究概要 |
この研究組織は、脳機能の分子的・細胞生物学的な基盤を、系統進化ならびに個体発生の視点から解明することを目的とする。この研究をもっとも有効に遂行する方策を討議するために、2回にわたって会議を持ち、さらに昭和61年度総合研究(B)「脳特異的蛋白質の特性とその動態の追求」(研究代表者:和田博教授-研究課題番号61308014)との共同班会議を1回開き、以下の8項目を主題として討論を重ねた。(1)神経進化にともなう蛋白質の発現と神経機能の分化 (2)神経系複合糖質の系統発生と神経機能 (3)ニューロンの機能分化と回路網形成の分子的基礎 (4)グリア細胞の発生および分化の分子機構 (5)情報受容・応答系の系統発生と個体発生 (6)神経系と内分泌系相関の進化 (7)変異動物によるニューロン構築・回路網形成の研究 (8)疾患脳における神経階層・回路網の崩壊機構。 これらの討論の結果、神経回路形成の各種段階における蛋白質,複合糖質の発現機構に焦点をしぼることにした。この課題に関して、さらに広い範囲の研究者に研究の現況と展望を紹介し、かつ意見を交換するために、黒川班,和田班の合同による公開シンポジウムを企画し、昭和62年1月29日、東京大学において「神経系形成と蛋白質発現」と題する公開の講演会を開催し、(1)中枢神経系細胞分化の遺伝子的制御 (2)選択的細胞結合の分子的アプローチ(3)胚神経系における特異分子の探索 (4)脳の形態形成と遺伝子発現 (5)神経組織のプロティン・ライブラリーの5演題をめぐって活発な質疑・討論がおこなわれた。 以上の活動を通じ、今後 (1)ニューロン間選択的結合の分子機構 (2)ニューロン・グリア間認識の分子機構 (3)シナプス機能発現の分子機構について集中的、有機的な研究態勢を整備しえたことにより、本総合研究(B)は所期の目的を達成したものと考える。
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