研究課題/領域番号 |
61308026
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
荻田 善一 富山医薬大, 和漢薬研究所, 教授 (40109111)
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研究分担者 |
松田 一郎 熊本大学, 医学部, 教授 (10000986)
島田 和典 熊本大学, 医学部, 教授 (40037354)
相沢 慎一 理化学研究所, 研究員 (60073011)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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キーワード | 形質転換動物 / 実験医学 / 遺伝性疾患モデル動物作製 / 形質転換性病態モデル動物 |
研究概要 |
実験医学領域で最も重要でしかも必須な要望は、ヒトに似た動物を実験に用いることである。そこで研究目的にしたがって生理的機能の面から部分的に類似した動物が選ばれ使用されてきた。例えば、治療薬の開発に際しても、そのいづれもが疾患模写であって、ヒトの疾患そのものではない。したがって、実験医学は、限りなくヒトに似ている動物はヒト以外にはないという矛循を抱えつつ発展してきた。ここに生きたヒトを対象とする「実験医学」の根本的な制約と制限がある。ところが近年に至り、遺伝子工学,細胞工学や胚工学の研究技術が開発され、ヒトの病的遺伝子(DNA)を患者から取り出し、動物の受精卵に移入することで当該遺伝子を動物の特定組織-器官で発現させる可能性がもたらされた。かくして、ヒトの病的遺伝子の機能的欠陥をもつ「遺伝性疾患モデル動物」を作製することで、よりヒトに類似した病態を対象として研究することができるばかりでなく、遺伝的欠陥動物の遺伝子治療を行うことによって、ヒトの生殖細胞になんらの操作を加えることなしにヒトの遺伝子治療にまつわる多くの問題点を検討することができるような、「実験医学」の夜明けが近づいたのである。本研究の目的は、革命的とも思われる「実験医学」の本格的な幕明けに際し、各専門分野の研究者が一堂に会し、形質転換動物をどのように利用すべきかについて討論するとともに、より有効な形質転換動物育成法について世界における情報の収集調査を行い、新しい研究領域として発展させるために形質転換性病態モデル動物にまつわる研究戦略について討論することにある。そのため各班員は、各専門領域における形質転換動物の利用に関する現状調査および形質転換動物育成法についての情報収集調査を行った。昭和61年8月30日〜9月3日、立山国際ホテル(富山県)における班会議にて研究発表および討論を行い、本企画ならびに調査結果を総括した報告書を出版した。
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