研究課題/領域番号 |
61400002
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福田 豊彦 東京工大, 工学部, 教授 (80016617)
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研究分担者 |
本蔵 義守 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00114637)
川野辺 渉 東京工業大学, 工学部, 助手 (40016340)
菊池 実 東京工業大学, 工学部, 教授 (30089817)
飯田 賢一 東京工業大学, 工学部, 教授 (60143666)
道家 達將 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016340)
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キーワード | 遺跡 / 製鉄 / 製銅 / 遺物 / スラグ / 滓 / 鉄 / 銅 |
研究概要 |
研究実績の概要は以下の通りである。 1.すでに各地方公共団体等の手により把握されている全国の金属製錬に関連した遺跡の調査を行った。全国都道府県教育委員会および埋蔵文化財センターの協力を得て、34都道府県についての情報を収集できた。調査結果のうち9月1日までに寄せられた27道県の回答については、浜島・高塚・川野辺が整理し、『東京工業大学人文論叢』第12号に「金属生産遺跡全国調査概報」として公表した。 2.回答の内容を詳細に検討した上で、15府県、38製鉄遺跡の調査と試料の採取を行った。集めた試料の中には、わが国の製鉄開始時期の問題に重要な意味を持っている古墳供献鉄滓や、従来製鉄が行われていなかったといわれる沖縄県の砂鉄,磁鉄鉱,及び製鉄関連の鉄滓など、貴重なものも少なくない。これらの試料の成分分析は一部を実施したが、残りの主要部分については62年度に行う予定である。収集した試料は、全て写真撮影を終了している。なお、遺跡調査の課程では、比較検討のために製銅製品及び製銅滓をも収集している。 3.収集試料のうち岡山県の古墳供献鉄滓などの分析結果をふまえ、川野辺 渉が「古代の鉄滓の化学組成に関する一考察」として『自然科学と考古学』(日本文化財科学会誌)に発表した。 4.収集された秋田県堪忍沢製鉄遺跡の試料の分析結果は、高塚 秀治が「堪忍沢製鉄遺跡出土遺物の分析結果について」(秋田県教育委員会)として報告した。 5.本年度の研究成果をふまえ、研究の総括と次年度の研究計画を作成するため、定例の研究打ち合せ会議のほかに、学外の研究者を含めた会合を三月に行った。
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