研究課題
実時間で観測できる小型のX線顕微鏡システムを製作するため、コンパクトなレーザープラズマX線源の開発を行った。まずスラブ型Ndガラスレーザー(エネルギー8J、繰り返し周波数3Hz、パルス幅40ns)を開発し、これを3×10^<12>w/cm^2に集光して種々のターゲットに照射し、発生するX線の励起強度依存性、ターゲット膜厚依存性、変換効率、X線スペクトルを測定した。変換効率10%以上が得られた。X線検出器としてマイクロチャンネルプレート(分解能25μm)を用いて、単一X線パルスでX線画像を検出できるシステムをつくった。この検出システムと、コンデンサーゾーンプレートでX線のΔ色化を行い、対物用ゾーンプレートで像の拡大を行うシステムを組み合わせたシステムについて検討した。これにより倍率10倍のX線顕微鏡を構成できることがわかった。今後さらに高倍率化と高分解能化をはかるためには、まずX線反射鏡によりレーザープラズマX線の集光を行なって高倍率化を達成し、つぎに現在開発されつつあるCCDのようなより高分解能X線検出器と組み合わせる。このことにより、空間分解能100mm以上のコンパクトなX線顕微鏡システムが製作し得ることがわかった。
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