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1986 年度 実績報告書

脳損傷と言語行動形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61410004
研究機関東北大学

研究代表者

永渕 正昭  東北大, 教育学部, 教授 (60004107)

研究分担者 坂本 幸  東北大学, 教育学部, 助手 (40004113)
菅井 邦明  東北大学, 教育学部, 助教授 (60000288)
キーワード脳損傷 / 言語行動 / てんかん・失語 / 音声伝達行動 / 非音声伝達行動 / 言語形成過程 / 言語形成プログラム
研究概要

永渕は、2名の脳損傷児と3名の突発難聴(聾)児で、言語の崩壊と、教育による言語の再構成について資料収集を行ってきた。まず「てんかん・失語」症候群の小児2名の聴覚と言語について精密に検査した。これによって脳とくに側頭葉の損傷があると、聴覚的言語理解が急速に悪化し、それと同時に言語発達が停止するのみでなく、後退することが判明した。次に、出生時より正常に発達してきた小児が満5才を過ぎて流行性耳下腺炎で突発難聴(聾)になった3名についても検査したが、平均聴力100デシベルであるにもかかわらず、言語機能は比較的良好に保持されていて、構音(発音)障害が主として残っていた。
菅井は、6名の脳損傷学童の音声言語行動を分析し、音声言語行動形成を実施した。8カ月の実験教育によって大きな進歩があった。また15名の脳損傷児についても同様な実験教育を行ない、言語行動の形式過程の資料を収集した。さらに、2名の聴覚障害児についても同様の観点から音声言語形成の教育を実施し、大きな成果をあげている。来年度はこれらの資料をさらに増やし、分析 考察を行なう予定である。
坂本は、両親が聴覚障害である聴覚障害・健聴幼児各1名の伝達行動形成過程を追って資料収集を進めており、すでに収集した同様の聴覚障害児4名の資料と併せて分析する予定である。一方、この資料の記述・分析の尺度を作成するため、「非音声言語伝達行動分析装置」を用いて、手話を中心とする、聴覚障害者の非音声言語の基本単位約3千について、その動作の構成を6個のパラメータを設定して分析し、分類整理する作業を進めている。
今年度は本研究の初年度であるため、検査・測定設備の充実に時間を要し、後半から資料収集が軌道に乗った。来年度以降はこれらの資料を増やして一層厳密な分析を行なう予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 永渕正昭: Audiology Japan. 29. 513-514 (1986)

  • [文献書誌] 永渕正昭: 神経心理学(予稿集). 32 (1986)

  • [文献書誌] 永渕正昭: 特殊教育学会 第24回大会発表論文集. 24. 106-107 (1986)

  • [文献書誌] 菅井邦明: 特殊教育学会 第24回大会発表論文集. 24. 328-329 (1986)

  • [文献書誌] 菅井邦明: 特殊教育学会 第24回大会発表論文集. 24. 330-331 (1986)

  • [文献書誌] 坂本幸: 日本手話学術研究会第12回大会講演予稿集. 12. 1-2 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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