研究課題/領域番号 |
61410013
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮澤 節生 神戸大学, 法学部, 教授 (60001830)
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研究分担者 |
樫村 志郎 神戸大学, 法学部, 助教授 (40114433)
西原 道雄 神戸大学, 法学部, 教授 (60030607)
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キーワード | 民事紛争 / 損害賠償 / 国家賠償 / 交通事故 / 医療過誤 / 公害 / 企業法努 / 地方自治体 |
研究概要 |
本年度は、(1)市民の紛争経験に関するデータの補充・確定と(2)組織体の紛争処理態勢に関するデータの補充・確定を行ったうえで、(3)当事者個人・組織体双方からのデータ収集によって具体的事例での交渉過程を分析し、(4)報告書を作成するという、4つの課題を設定した。民事紛争処理過程に関する従来の研究に比較した場合の本研究の特色は組織体当事者に注目したことである。本年度の作業の中心は、したがって、(2)におかれた。 データの補充・確定の対象となった組織体は、10都府県、16市、および17企業であった。企業には、従来、その重要性にもかかわらず研究されることが少なかった電力会社4社が含まれていた。作業は、テープ起こし原稿の作成、相手方による修正、修正に基づく発表用原稿作成、相手方による承認という、慎重な手続きで行われた。さらに、担当者の交替も多く、1組織体ごとに多大の時間を要した。 しかし、平成元年1月の時点で、10府県、11市、10社から少なくとも要約の形での公表許可が得られたので、その内容について研究成果報告書を作成し、裏面「研究発表」欄のとおり、成果の公刊を始めた。また、日本法社会学会平成元年度大会でも、共同研究として発表を行うことにした。 他方(3)については、双方当事者の面接が容易な関西圏に限定し、新聞報道から10件を抽出して、係属裁判所での資料収集を行った。和解交渉終了まで当事者からのデータ収集が困難なものがほとんどのため、この点については、今後も継続調査する予定である。 また、(1)については、大量のデータ処理が必要であり、1件ごとに慎重な作業を必要とした(2)との同時作業は困難であった。(1)の成果公表も、継続的課題として取り組む予定である。
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