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1986 年度 実績報告書

ケインズ主義的福祉国家の危機と再編成に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 61410014
研究機関名古屋大学

研究代表者

田口 富久治  名大, 法学部, 教授 (50061841)

研究分担者 後 房雄  名古屋大学, 法学部, 助教授 (20151855)
川崎 信文  広島大学, 法学部, 助教授 (60152948)
磯部 隆  名古屋大学, 法学部, 教授 (20092992)
佐々木 雄太  名古屋大学, 法学部, 教授 (20040793)
戒能 通厚  名古屋大学, 法学部, 教授 (00013011)
キーワードケインズ主義 / 福祉国家 / 高度成長 / 新自由主義 / 新保守主義 / マネタリズム / ネオ・コーポラティズム / 危機管理
研究概要

1 今年度の研究の重点は、ケインズ主義的福祉国家とその危機の実態について、対象とする6ケ国の比較研究を行なうことに置かれた。
2 その結果、高度成長期の国家のあり方については、各国毎の特殊性や時期的なズレはあるものの、ケインズ主義的経済政策の採用や福祉国家化の傾向など重要な共通点が見出された。それを我々は、とりあえず「ケインズ主義的福祉国家」として理解するが、その理論的内容の一層の精緻化、及びその各国類型の一層の明確化などは次年度の課題である。
3 ポスト高度成長期、すなわち1970年代半ばの世界同時不況の開始以後の時期においては、福祉国家の定着度などに規定されて、むしろ各国の特殊性が際立ってくることが注目される。同じように福祉国家の危機という認識を持ち、それを克服することを目標として掲げながらも、その方向は大きく分岐している。すなわち、仏、西独などヨーロッパ大陸諸国では、福祉国家を基本的には維持しつつ新たな状況に取り組むという方向が基調であるのに対して、英、米では、福祉国家的諸理念に対する正面からの攻撃を行ない、自由主義への復帰を叫ぶ政権が長期にわたって維持されている。日本の場合もこの後者のグループに分類されるが、ここでは、新自由主義に日本的伝統の再評価が加味されて、日本型福祉社会が政権の目標とされているのが独自の特徴である。
4 以上の認識を前提として、次年度においては、各国毎に大きな分岐をみせているケインズ主義的福祉国家の危機の実態、及びそれへの国家の側からの打ち返しに研究の重点を移していく。新自由主義の諸国の打ち返しが危機に対してどこまで有効でありえたのか、ヨーロッパ大陸諸国の試みの中から福祉国家を引きつぎつつ新たな状況の中でそれを越える方向が見出されるのか、等の問題に展望を得たい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 白石克孝: 名古屋大学『法政論集』. 113. 1-42 (1986)

  • [文献書誌] 佐々木雄太: 名古屋大学『法政論集』. 113. 163-222 (1986)

  • [文献書誌] 鈴木桂樹: 名古屋大学『法政論集』. 113. 321-354 (1986)

  • [文献書誌] 鈴木桂樹: 名古屋大学『法政論集』. 114. 195-226 (1987)

  • [文献書誌] 白石克孝: 名古屋大学『法政論集』. 115.

  • [文献書誌] 田口富久治,川崎信文 ほか: "現代フランスの政治" 有斐閣, 300 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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