研究課題/領域番号 |
61420002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長瀬 文昭 名大, 理学部, 助教授 (00022690)
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研究分担者 |
田原 譲 名古屋大学, 理学部, 助手 (10135296)
早川 幸男 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022498)
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キーワード | X線望遠鏡 / X線反射鏡 / ポリイミド・フィルム / X線散乱 / 表面粗さ / レプリカ法 / ディッピング法 |
研究概要 |
今年度に行った、大面積広帯域X線望遠鏡の開発項目は以下の通りである。 1.X線反射鏡素材と鏡面の製作、及びその評価 鏡面素材検討の過程で、表面特性に優れたポリイミド・フィルムを見つけその熱・機械的特性等について検討した結果、有力素材候補としてこれを用いることにした。当初、AlやCFRPを鏡面基板として予定していたが、これらに比べ、当フィルムは、円錐整型が非常に容易であり、かつ、表面特性に優れていることがわかった。表面粗さの評価は、X線の散乱強度分布測定により金を約500【A!゜】蒸着した当フィルムについて行った。X線の評価システムについては、その整備のために、本補助金により購入した真空ポンプ、真空計、ハードディスク装置等を用いた。評価の結果、表面粗さは約10【A!゜】(rms)であり最終目標(【<!〜】5【A!゜】)には劣るが、積分反射率では約80%で比較的良いことがわかった。さらに、この表面粗さの改良については、ディッピング法やレプリカ法により数cm角の小さなサンプルについては、数【A!゜】までの改良に見通しを得たが、より大きな面での改良は今後の課題である。(ディッピング法には、ドラフト・チェンバー、レプリカ法には送風恒温乾燥器の備品を用いている。) 2.プロト・モデルの製作及び光による結像性能の評価 今年度は、前半において一層一段に対するサポートの製作とこれを用いた円錐鏡の光学評価を行い、ほぼ目標値である、1分角の角分解能を得る見通しを得た。ここで主要備品である。X線ミラー較正用平行光源装置を用いた。その後さらに多層2段(今回は5層まで)のプロトモデルを設計製作し現在ほぼ部品がそろい組上げる段階に来ている。来年度は、このプロトモデルの光及びX線による結像性能評価を行い、サポート方式や円錐整型方式を確立する。又、後半には、より最終モデルに近い多層2段モデルの設計・製作を行う予定である。
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