研究分担者 |
大川 彰一 東京大学, 原子核研究所, 助手 (90013432)
久保野 茂 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20126048)
田中 雅彦 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20013435)
安江 正治 東京大学, 原子核研究所, 助手 (80013423)
川上 宏金 東京大学, 原子核研究所, 助手 (50013412)
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研究概要 |
前年度整備した気体充填型反跳核分析器(GARIS)とイオンガイド法オンライン同位体分離器(IGISOL)を用い, 核研SFサイクロトロンで稀少生成核種や稀少核反応現象の研究を行うとともに, さらに高収率の反跳核分析器の開発を進め, 大きな成果を得た.また, フッ化バリウム結晶による多重ガンマ線・粒子線検出器の製作とその性能試験を行い, そのデータ処理系を整備した. 主な研究成果を以下に記す. 1)タンデム型IGISOLの開発 GARISとIGISOLとを組み合わせると, プラズマ効果がなくなり高収率のイオンガイド法ISOLが実現されることを示した.この成果をとりいれた世界初のタンデム型IGISOLが理研で製作中である. 2)中性子欠損アクチナイド核の研究 重イオン融合反応により標記核種の研究をGARISを用いて行った.準未知核種2^2Paの同定と寿命の測定に成功するとともに、N=130同調核種に対し、アルファ崩壊のQ値と寿命を精度よく決定し、換算アルファ幅につき新しい知見を得た。この成果は近く発表予定。 3)稀少核反応現象の測定 高励起複合核からのガンマ崩壊など稀少現象の測定を行うにあたり, GARISによって輸送された生成核との同時計測が極めて有効であることを, ^<12>C(^<12>C,γ)^<24>Mg反応等によって示した. 4)多重ガンマ線・粒子線検出器の製作と性能テスト 7個のフッ化バリウム結晶(直径70ミリ, 長さ15cm)によるシンチレーター・アレイを設計し, 所期の性能が得られることを確認の後製作した. これらは, 将来クリスタル・ボールに拡張できる構造に設計してある.
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