研究課題
本年度は研究開始初年度であるので、研究の主力はGPS受信機の開発に注がれた。あわせて、来年度から始める観測のための観測適地点調査も並行しておこなった。1.GPS受信機の開発受信機はGPS衛星からの電波を受信して、衛星の軌道情報や時計信号および搬送波の位相角をデータとしてとりこむ。2点(以上)の観測点で得られたこれらのデータを使って観測点間の相対位置関係をもとめる。このような測定原理の受信機を今年度開発試作した。受信機は最大8個の衛生からの【L_1】,【L_2】の両電波の同時受信が可能となるよう16チャンネル構成とした。取得したデータはバッテリーでバックアップされたRAMに記録される。このRAMは受信機から取り外し、他の処理システムに組みこめるようになっている。さらに、この受信機は、コード再生方式としても、また、コードレス方式としても動作するよう設計されており、今後はさまざまな試験がおこなえるように配慮してある。これは、GPS観測が未だ試験段階にあり最適観測方法についての研究が必要であるからである。62年度には、この受信機をつかって試験観測をおこないながら、装置の改良ならびにデータ解析ソフトウェアの開発をすすめる予定である。2.GPS観測適地点調査今年度は装置の開発と並行して、現地観測にそなえ、観測に好的な地点を調査した。将来、プレート運動の実測や地震予知のための地殻変動観測にGPSが利用されるであろうことを考慮し、房総半島から駿河湾にいたる東海地方の沿岸域の約120点の三角点について、GPS観測に利用する場合の適否について現地調査をおこなった。今後は、観測点新設を含め、最適観測網の研究も行なう予定である。
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