研究課題/領域番号 |
61420024
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村上 澄男 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023053)
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研究分担者 |
河井 昌道 筑波大学, 構造工学系, 講師 (90169673)
大野 信忠 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30115539)
田中 英一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00111831)
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キーワード | 高温 / 寿命評価 / 繰返し塑性 / クリープ変形 / クリープ損傷 / き裂進展 / 損傷力学 / 構成式 |
研究概要 |
昭和63年度は、当科学研究費補助金で購入した電気油圧サーボ式引張りーねじり複合負荷材料試験機(島津製作所EHF-EB-10、TQ1ー201型)、ならびに既設の引張りーねじり複合クリープ試験機を用いて次の研究を行った。 1.上述の電気油圧サーボ式材料試験機を用いて、高温での引張りー圧縮ーねじり複合試験を行うための、計測制御用ソフトウエア、高温用引張りー圧縮ーねじり組合せ変位計、高温加熱システムの調整と精度向上を検討し、所定の実験の実施を可能にした。 2.この複合負荷試験機を用いて、高温機器材料、改良9Crー1Mo鋼の繰返し特性を検討したところ、ひずみ振幅(4ε)/2=0.3〜0.75%に対して、繰返し当初から顕著な繰返し軟化が生じ、その軟化の割合は15〜35%に及んだ。 3.同試験機を用いて、ひずみ速度〓=5×10^<-7>〜10^<-3>sec^<-1>に至る広範囲の試験を行ったところ、ひずみ速度〓=5×10^<-4>〜10^<-3>sec^<-1>で負のひずみ速度依存性が見られた。 4.高温機器に対する高精度の変形・寿命解析を行うためには、上記2および3の現象を記述できる構成式の開発が必要であり、現在この問題を検討している。 5.以上の研究と並んで、高温機器のクリープ寿命評価法を検討するため、2次元非比例負荷の下でのクリープき裂進展を、損傷力学と有限要素法で解析するとともに、引張りーねじり組合せ負荷の下での銅薄肉円管試験片中でのき裂伝播実験を行い、損傷力学によるき裂進展解析と破壊寿命評価の有効性を示した。 6.高温における機器・材料中の損傷は、その剛性、靱性等の低下をもたらす。特に損傷に基づく弾性定数の低下は、き裂先端近傍の応力分布に影響を与え、したがってき裂進展速度、破壊寿命にも大きな影響を与える。本研究では、この点についても詳細に検討したが、クリープき裂進展に関する限りその効果は著しくないことを明らかにした。
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