研究概要 |
1.送信用デバイスの研究 半導体レーザのスペクトル線幅に対するキャリヤ効果の影響を評価する方法を,2種開発した. 一方は閾値以下でのスペクトル幅の測定,他方はAM雑音スペクトルの測定から,キャリヤ効果の寄与を評価するものである. 両者の測定結果は,満足すべき一致を示している. この結果から,DFBレーザの発振波長を利得の中心から負方向に離調することが,スペクトル狭窄化に有効なことが明らかになった. また,任意の電極構造・共振器構造を持つDFBレーザの,任意の電流レべルでの動作を解析する計算機プログラムを完成させた. 現在スペクトル狭窄化のための構造設計に着手している. 2.伝送デバイスの研究 境界積分法と呼ぶ新しい電磁界解析法を開発し,サイドトンネル型単一偏波光ファイバの伝搬特性を解析した. これと並行して,二次元有限要素法解析手法の改良に努め,従来の手法では解決が困難であったスプリアス解の除去が可能であるとの見通しを得た. 3.コヒーレント光受信機の研究 偏波と位相揺らぎの両方に対処できる,4つのボートを有する新しいダイバーシティ受信機を提案し,その基本特性を実験により確認した. 更に,マルチポートを有するコヒーレント光受信機の受信感度に関する一般論を展開し,解析的なビットエラーレートの公式を導くことに成功した. この結果,偏波ダイバーシティ用のポートを付加しても,受信感度の低下は0.4dBにとどまることが示された. また4相PSK位相ダイバーシティホモダイン光受信機を提案し,その動作解析を行なった.
|