研究課題/領域番号 |
61420033
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶抵抗・運動性能・計画
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 洋治 東京大学, 工学部, 教授 (00010695)
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研究分担者 |
渡辺 弥幸 東京大学, 工学部, 助手 (00010893)
山口 一 東京大学, 工学部, 助教授 (20166622)
木下 健 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70107366)
宮田 秀明 東京大学, 工学部, 助教授 (70111474)
梶谷 尚 東京大学, 工学部, 教授 (80010693)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | キャビテーション / クラウド・キャビテーション / レーザーホログラフィ / 水中翼 / 気泡流 / 数値流体力学 |
研究概要 |
定常流中の2次元翼に発生する非定常シート・クラウド・キャビテーション流場の機構を実験的・理論的に研究した。主な成果は以下の通りである。 1.翼面上の圧力信号をもとに、レーザー流速計の出力信号と高速度写真を条件付サンプリングすることにより、クラウド・キャビテーション回りの流速分布を測定した。それにより、クラウド・キャビテーションはキャビティそのものによって引き起こされた流体の渦運動の中央部に気泡が取り込まれて崩壊して行くものであり、その発生・成長・崩壊の全てに渡って流場の渦運動と密接に関連するものであることが分かった。 2.レーザーホログラフィ法により、クラウド・キャビテーション及び安定なシート・キャビティ後流の気泡群の測定を行った。その結果、クラウド・キャビテーション内の渦キャビテーションの3次元構造や球状気泡の空間分布が測定できた。明瞭に識別可能な気泡の最小直径は、30〜40μm程度である。また、解析への画像処理の応用も試みた。 3.三分力計により計測した揚力と高速度写真で計測したキャビティの大きさの時間変化を対応付けた。それによると、キャビティは単調に大きくなり、あるところで突然切れてクラウド・キャビテーションを放出するという変化を示すのに対し、翼の揚力係数は最初増加した後減少し、キャビティが切れる際にはその時間微分は負であることが分かった。 4.気泡2相流モデルという新たなキャビティモデルにより、非定常キャビテーションの数値計算を行った。それによると、クラウド・キャビテーションの発生にはキャビティ前縁で剥離した剪断層の挙動が密接に関連していることが示されるとともに、非定常シート・クラウド・キャビテーションの高精度数値予測の可能性が示された。
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