研究課題/領域番号 |
61420036
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
後藤 剛史 法政大学, 工学部, 教授 (80112978)
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研究分担者 |
野口 憲一 大成建設株式会社, 技術部, 係長
古川 修文 法政大学, 工学部, 助手 (10120833)
坪井 善隆 法政大学, 工学部, 助教授 (20105860)
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キーワード | 長周期大振幅複合水平振動 / 固有振動数 / 構造模型 / 応答解析 / 応答実測 / 船酔症状 / 正弦振動 / ランダム振動 |
研究概要 |
1.構造模型の応答実験に関しては、一方向1スパン、他方向3スパンで18層の模型を作製し、振動実験を行なった。この模型は実物比1/20であり、断面寸法、荷重の相似則から換算すると、固有振動数が実物の概ね40倍となる。この模型について、比較的長周期といえる数種の正弦振動を対象に、振動特性の解析を行なった。それによると、入力振動数に拘らず1層では加速度応答倍率はほぼ一定であるが、上層に行くに従い、2.5Hz近傍で応答倍率が上昇する傾向となっている。また、積載荷重の調節により、固有振動数を可変させながら同様の実験を行い、上記現象の確認実験を試みている。更に、実測された地震波形を入力しての模型各部の応答解析を行い、入力用時刻歴波形との比較を試み、その妥当性、実用への適用などについて検討しているところである。 2.人体応答実験においては、(1)船酔開始に関する補足的実験と、(2)正弦振動とランダム振動に関する感じ方の違いに関する実験とを行った。(1)の直線振動の実験に関し、より精度をあげる意図から今回は7.5galの振動条件を対象とし船酔症状の開始の有無を捉えた。更に、回転振動に関しても同種の実験を行なった。その結果、7.5galにおいては船酔症状を呈する被験者は全く現われず、一般に刺激としては直線振動より強いのではないかと指摘されている回転振動においても、やはり船酔症状を呈する人が現れはじめる振動加速度の大きさは、ほぼ10galを上回るであろうとの結論に至った。(2)の実験は、これまでに対象にしている正弦振動と、実存建築物に生じるランダム振動との間には感覚上どのような相違があるかを確認するために試みたものである。それにより、実測ランダム振動に関しては、被験者が振動の大きさの変化を容易に感じ取れること、また正弦振動に対する最大ピ-ク値が2倍位であるランダム振動を、正弦振動より大きいと感じることなどの傾向を捉えた。
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