研究課題/領域番号 |
61420038
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉永 日出男 九大, 国立大学(その他), 教授 (40005856)
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研究分担者 |
中島 英治 九大, 総理工, 助手 (80180280)
桑野 範之 九大, 総理工, 助手 (50038022)
友清 芳二 九大, 工, 講師 (40037891)
後藤 正治 九大, 総理工, 助教授 (50005948)
沖 憲典 九大, 総理工, 教授 (70037860)
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キーワード | 粒界構造 / 異相界面構造 / 強度 / 高温 / モリブデン / 炭化珪素 / 積層複合材料 / 分散強化材 |
研究概要 |
各種材料の粒界構造と強度との関係について研究し、以下の成果を得た。 1.〈110〉方向を回転軸とするいろいろの方位関係の対称傾角及び捩り粒界をもつMo双結晶の作製に成功し、粒界強度が著しく方位に依存することを明らかにした。また、OとCをドーブとすると強度の絶対値ばかりでなくその方位依存性も変わること、TiCを約1.5mol%添加すると強度が著しく向上するなどの知見を得た。現在粒界構造観察の準備を進めている。 2.B+C添加、B+C+AlN添加及び無添加の常圧焼結SiCについていずれも2〜5nmの粒界非晶質相の存在を観察したが、B+C+AlN添加材の粒界相のみが高温で粘性流動して強度の低下をもたらすことが知られた。他の粒界相については拡張粒界説を提唱し、その実証を進めている。 3.ラメラ組織を有するMo-TiCとAl-CuA【l_2】共晶複合材について、その高温強度と組織安定性を明らかにした。また、強化相の体積率が0.475と大きいAl-CuA【l_2】の高温強度はほぼ強化相で決まるのに対して、Mo-TiCの強度は高温で複合則より大幅に低下することが見い出された。これは異相界面すべりが原因であると考えられるので、その実証を急いでいる。 4.また、内部酸化法で作製したNi-Si【O_2】分散強化材ではSi【O_2】分散粒子の形状が樹枝状の複雑な形状をしているのに対しこれを高温処理すると粒子の空間分布を変えることなく球状化できることを見い出し、これを用いて高温強度の粒子形状依存性を明らかにした。転位と異相界面の相互作用の観察を行いつつある。 5.透過電子顕微鏡像から定量的な情報を得るために像コントラストのコンピューターシミュレーションを行うべく、プログラムの作製を進めている。
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