研究分担者 |
栗下 裕明 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (50112298)
桑野 範之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (50038022)
友清 芳二 九州大学, 工学部, 助教授 (40037891)
後藤 正治 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (50005948)
沖 憲典 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (70037860)
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研究概要 |
各種材料の粒界構造と強度の関係を調べ,以下の成果を得た. 1.いろいろの方位を有するαSiCとSiの双結晶を接合法によって作製し,その粒界構造と粒界強度の方位依存性を調べた. αSiCの〔0001〕捩り粒界には,捩り角によらず厚さ約1nmの非晶貭状構造緩和層が認められ,その強度も捩り角にほとんど依存しないことが明らかにされた. この結果は従来の理論的予測に反し,前年度に提唱した拡張粒界説を支持するものである. 一方,Siの〔111〕捩り粒界はほとんど拡張していず,その強度も対応粒界説から期待されるような捩り角依存性を示すことを明らかにした. これらの結果から,粒界構造を決める要因について検討した. 2.SiCと同様の拡張粒界がSi_3N_4やAlN系サイアロンにも存在することを明らかにするとともに,同サイアロンの粒界を電子線照射によって薄くして行くと,非晶状層の中に隣接結晶粒の格子像が生長して行くことを観察し,この拡張粒界の組成は結晶粒内とほぼ同じである可能性が高いことを示した. 3.MoーTiCラメラ複合材の異相界面上に転位列を観察し,高温強度を低下させる異相界面すべりとの関係を論じた. 4.Al_6Mnを分散粒子とするAlーMgーMm合金とBeを分散粒子とするAlーMgーBeについて高温変形挙動を調べ,塑性変形のためのしきい応力が前者には明瞭に存在するが,後者には存在しないことを明らかにした. 一方,両合金中での転位と分散粒子の相互作用はいずれも吸引型であることを動的観察で確認した. しきい応力有無に関する両合金の相違は粒界すべりの大小によるものと考え,その実証を急いている. 5.透過電子顕微鏡像から定量的な情報を得るためのコンピューターシミュレーションプログラムを作製した.
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