研究概要 |
マイクロプロ-ブ(μ-probe)オ-ジェ電子回折装置は一応の完成を見た。しかし、当初、計画していた性能を出した部分と、そうでない部分がある。それらをまとめると以下のようになる。 1.真空(ベ-スで2x10^<-10>Torr)--ほぼ計画通り 2.空間分解能(〜100αA2FA)--ほぼ計画通り 3.UHV-RHEEDとしての性能--計画通り 4.μ-probeオ-ジェ電子回折装置としての性能--ほぼ計画通り 5.μ-probe RHEEDの性能(表面上のステップが見えない)--期待した性能が出ない このうち、5.については、日立製作所中央研究所の市川昌和らのμ-probe RHEED装置の性能と比較したとき、その性能が劣っていることを意味する。これを向上させることが装置の改良の点ではもっとも重要である。しかし、本装置の特色である4.のμ-probeオ-ジェ電子回折装置としてはほぼ計画通りの性能が出ており、本研究は成功であったと言える。 装置の完成の後の結晶表面構造解析の研究はその緒についたばかりである。Si(111)表面上の金属初期界面についていくつかの研究方向を代表する研究を行った。それらは、 1.μ-probe オ-ジェ電子分光--(Si(111)√<3>×√<3>-Ag表面のAg被覆率の決定) 2.μ-probe UHV-SEM--(Ag/Si(111)成長様式の観察、In/Si(111)表面電流効果の観察) 3.μ-probe オ-ジェ電子回折--(Si(111)4×1-In,√<3>×√<3>-InのIn MNNオ-ジェ電子回折パタ-ン測定) である。
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