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1986 年度 実績報告書

ソフトな配位子とハードな金属より成る新錯体の合成と反応性

研究課題

研究課題/領域番号 61430013
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤田 純之佑  名大, 理学部, 教授 (80004266)

研究分担者 野々山 松雄  名古屋大学, 理学部, 助手 (40022701)
喜多 雅一  名古屋大学, 理学部, 助手 (20177827)
小島 正明  名古屋大学, 理学部, 助手 (20022725)
柏原 和夫  名古屋大学, 理学部, 助教授 (60004496)
キーワードコバルト(【III】)ホスフイン錯体 / コバルト(【III】)アルシン錯体 / 多座ホスフイン配位子 / 不斉ホスフイン配位子 / 光異性化
研究概要

本研究費の交付により購入を計画した核磁気共鳴測定装置、日立R-90HS形機は61年12月下旬納入され、約一ケ月の調整后、順調に稼動し各種測定に使用している。以下は、主として新錯体の合成と性質について得た知見を記す(1)5B族元素のひ素、および窒素を配位原子とする最も基本的な新しい配位子【NH_2】【CH_2】【CH_2】As【(CH-3)-2】、およびそのコバルト(【III】)錯体を数種合成した。最も基本的なトリス型錯体はfac-型のみ生成し、分割にも成巧した。対応する窒素りん錯体の吸収スペクトルとの比較から、分光化学系列はP>As>Nの順になることを明らかにした。また、ひ素錯体のみ弱塩基性水溶液中でラセミ化することを見出した(2)四座ホスフイン配位子【NH_2】【CH_2】【CH_2】P(【C_6】【H_5】)【(CH-2)-n】P(【C_6】【H_5】)【CH_2】【CH_2】【NH_2】(n=2,3)を合成し、それらのコバルト(【III】)錯体を多数合成した。不斉りんにもとずく異性体は配位子のみでは分離できなかったが、アセチルアセトナト(acac)錯体を通じて達成された。acac錯体はn=2のとき、ラセミ配位子はcisα、メソ配位子はcisβ異性体のみ生成する。n=3の場合は、ラセミ配位子はcisαとcisβをメソ配位子はcisβ異性体のみ生成する。cisβ異性体はりん原子の強いトランス効果によってトランス側のアミノ基が酸によって解離する事を明らかにした。(3)最も簡単なジホスフイン【(CH-3)-2】P【CH_2】P【(CH-3)-2】(dmpm)を含む【[Co(dtc)(dmpm)-2]^(2+)】、および【[(Co(dtc)-2(dmpm)]^+】(dtc=【Me_2】【NCS(^ー_2)】を合成し、前者のX線解析からdmpmが四員キレート環を形成して配位していることを確認した。P-Co-P角は75.46(15)゜と歪んでおり、配位子場吸収帯は対応する五員環の【(CH-3)-2】P【CH_2】【CH_2】P【(CH-3)-2】錯体より低エネルギーにあり、吸光度も大きい(4)cis-【[CoC1_2】【{(CH-3)-2P(CH-2)-nP(CH-3)-2}-2]^+】(n=2,3)がメタノール中trans異性体に光異性化することを見出した。測定した温度では熱異性化は殆んど起らない。配位子場吸収帯の光照射による量子収率は、n=2の錯体で0.00018、n=3の錯体で0.021となり大きく異なる。これは、光異性化のみ生ずるCo(【III】)錯体の最初の例である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masamich ATOH;Hirofumi SUGIURA;Yoji SEKI;Kazuo KASHIWABARA;Junnosuke FUJITA: Bull.Chem.Soc.Jpn.NO.5. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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