研究概要 |
本研究課題における, 今年度の主な研究計画は, (1)微小領域X線回折計のハード及びソフトの両面からの性能のバーゾョン・アップ, (2)ブラジル, ポソス・デ・カルダスにおいて採集した, 稀元素, 放射性鉱物標本に基ずく, 局所の化学分析, 微小部からの回折X線の測定, 及び解析, それら鉱物の記載らであった. 項目(1)に関する成果に関して, 以下に示す. 1.レーザー・ビームの照射による試料上のX線入射位置の観察は, ビームのスリット出口における干渉により, ビームが収束しないので, 現時点での利用は取止めた. 現在, フレネル・ゾーン・プレートを利用するシステムを考慮している. 2.回折線の分解能の向上させる目的で, 湾曲型固体検出器の前面に脱着可能なスリット板を取り付けた. 3.ω, χ, φ軸の駆動の円滑化, 及び, バックラッシュの低減の為ギアの調節を行なった. 4.駆動プログラム・システムに, 大幅な改良を加え, スピード, 操作性の向上を図った. 特に, 裏測定を可能にし, 微小領域回折計で測定中に, 粉末回折計の測定や, データ処理を行なえるようにした. 5.測定結果のデータ・ファイルを他の応用プログラムで読めるような変換プログラムを開発した. その結果, 既存のプロファイルフィッティングやリードベルト解析のソフトの利用が可能になった. 項目(2)に関しては, 岩石カーボナタイトらに関して, EPMAによる局所の化学分析, 微小領域X線回折による測定が行なわれ, 現在記載の準備が為されている. 来年度は, 単結晶用のソフトプログラムを完成させると共に, 放射性鉱物のX線的研究を幅広く行なう予定である.
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