研究課題/領域番号 |
61430015
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
床次 正安 東京大学, 理学部, 教授 (80029850)
|
研究分担者 |
豊田 和弘 東京大学, 理学部, 助手 (10207649)
芳賀 信彦 東京大学, 理学部, 助手 (60011748)
小澤 徹 東京大学, 理学部, 講師 (00011651)
堀内 弘之 東京大学, 理学部, 助教授 (80029892)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1989
|
キーワード | 放射性廃棄物 / 微小領域X線回折 / 放射性鉱物 / 国際ストリパ計画 / 風化作用 / 鉱物微細組織 |
研究概要 |
高レベル放射性廃棄物は、原子力発電の使用済み核燃料の再処理過程で必然的に発生するもので、その処理処分は、緊急な課題になっている。この問題に関しては従来の研究は工学的な視点を主として遂行されてきたので廃棄物の変化に関する時間的な視点からの検討が不足している感がある。本研究課題では、放射性廃棄物に生じることが予想される微細構造ないし組織を構成する局所の物質を、天然の放射性鉱物の産状の知識を背景に、観察・分析する方法を確立することを目指した。これにより各種元素の移動、濃集、散逸などの傾向を把握するための研究の一部として、原子力利用の際に不可避と考えられていた望ましくない放射への安全対策の指針として役立つことが期待される。 本研究課題において遂行した具体的研究内容は(1)微小領域X線回折装置:本研究で受けた補助金の使途は、微小領域X線回折装置の設計および製作である。従来の装置は微小部分にX線を照射し且つその部分を中心に揺動させることにより、疑似的な粉末回折図形を得るものであったが、50μm程度の領域になると回折に寄与する有効体積が減少しまたS/N比の問題もあり効果的ではない。これを単結晶からの回折として取扱うべく装置の改良、ソフトの開発を行なうことにより、10μm程度の領域の単結晶相から結晶学的な情報を得ることが出来るようになった。(2)天然の放射性鉱物の産状の知識を得る為、ブラジルのカ-ボナタイト・アルカリ複合岩体で採集した鉱物試料について鉱物組織、風化作用などの観察と元素の濃集に関する分析を、X線回折、走査電顕、光量子放射化法などを応用して行なった。(3)国際ストリパ計画への貢献:放射性廃棄物の地層処分に関心の深い10ケ国程度の国が集まって共同研究を行なってきたが、本研究では「結晶質岩体の割れ目の充填」について関与してきた。
|