研究課題/領域番号 |
61430017
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 信彦 九大, 工学部, 教授 (00037673)
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研究分担者 |
川端 祐司 九州大学, 中央分析センター, 助手 (70152999)
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 助教授 (30127980)
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キーワード | 超音速分子ジェット / レーザー光分析 / 蛍光分析 / 多光子イオン化 / 微量分析 / 環境分析 / 超臨界流体 / 質量分析 |
研究概要 |
本研究では、蛍光分析と質量分析が同時に行なえる新しい超音速分子ジェット分光分析装置を試作するとともに、現有の装置を活用し、多環芳香族化合物を微量分析する方法について検討した。 1.シンクロナススキャン分光法:超音速分子ジェット分光法は極めて選択性に優れているが、スペクトル的性質が未知の化合物の分析には適用しにくい。そこで励起レーザーと蛍光分光器の波長を合わせ同時に走査する方法について検討した。この方法は未知分子の純電子遷移が直ちに求められ、かつ1つの化合物について1つのピークを与えるので、目的試料中に存在する成分数及びそのスペクトル的性質を調べるのに有効と考えられる。現在、ピレンやアントラセン誘導体の分析について検討を進め、これらが選択的に分析できることを示している。 2.マルチチャンネル検出器を用いる蛍光スペクトル瞬時測定法:キャピラリーガスクロマトグラフで分離した試料を超音速分子ジェット蛍光法で同定するためには、溶離成分の蛍光スペクトルを瞬時に測定する必要がある。このため本研究では、スペクトロメトリックマルチチャンネルアナライザを用いる方法について検討した。現在、アントラセン誘導体の分析について検討を進めているが、検出限界はクロマトグラフへの注入量100ng、カラムへの注入量で数ng程度である。 3.人工知能システム:超音速分子ジェット分光法は鋭いスペクトルを与えるため、正確度の高い同定が行なえる。純理論的なPPP法及びCNDO/S法により分子軌道を計算し、純電子遷移エネルギーから分子を同定する方法を検討した。約60種類の化合物について実測値と理論値を比較したところ、本法の誤差は約2%であった。蛍光スペクトルの類似性を相互相関関数から評価する方法についても検討を進めている。
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