研究課題/領域番号 |
61440010
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
八鍬 利郎 北海道大学, 農学部, 教授 (70001394)
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研究分担者 |
鈴木 卓 北海道大学, 農学部, 助手 (30196836)
荒木 肇 北海道大学, 農学部, 助手 (30183148)
原田 隆 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001457)
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キーワード | プロトプラスト培養 / 不定胚形成 / 胚培養 / 凍優保存 / 生殖質 / 細胞培養 / 細胞選抜 / 茎頂培養 |
研究概要 |
1.不定胚の形成:ニンニクの茎盤部と花床部を2、4ーDやNAAの添加されたMS培地で培養することでEmbryogenicカルスが形成された。カルスの内部には各種のステ-ジの不定胚が形成されていた。茎盤部由来のEmbryogenicカルスは、1μMNAAと10μMBAが添加されたMS培地に移植することで、花床部由来のEmbryogenicカルスは1〜5μMNAAと5μMBAの添加されたMS培地に移植することで再生個体が形成された。ヤマノイモにおいても、ヤマトイモの茎頂を4.5μM2、4ーDが添加されたMS培地で、ウチワドコロの未熟胚を10〜20μM2、4ーDが添加されたMS培地で培養することによりEmbryogenicカルスが形成された。2.胚培養による雑種植物体の育成:ヤマノイモの未熟な胚は、種子の状態で30日ほど培養して胚的生長を促し、その後に胚を摘出して培養することで交雑実生を獲得することができた。これらの培養により、ナガイモ×ナガイモ、ジネンジョ×ナガイモ、ヤマトイモ×ナガイモ等の交雑実生が得られ、それらの特性も調査することができた。3.生殖質・遺伝子源の凍結保存:ブドウ体内のデンプンの糖への転化は9月以降に起こり、遊離型ABAは8月〜11月に増加し12月以降減少した。電子顕微鏡を用いた観察によれば、夏型細胞内の大きな液胞は冬になると分裂して小胞化した。夏型細胞は細胞内凍結を起こしやすいが、冬型細胞は細胞外凍結を起こし膜系の障害も減少して凍結に耐えるようになることがわかった。4.大量増殖法の確立:ギョウジャニンニクの茎盤部を含む茎頂をMS培地にBA10^<-4>M.2、4ーD10^<-7>M.ショ糖20g/l及び寒天7g/lを添加した培養茎(pH5.7)で培養し、92%の個体に多芽体の形成をみた。さらに多芽体を分割移植することにより増殖が可能となった。生長調節物質無添加区では58%の発根率であった。このほか、Tridiazuronを用いることによってリンゴ茎頂からの植物体再生率の向上についても成果を得た。
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