• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

微生物酵素を応用した新パルプ化法開発のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 61440017
研究機関東京農工大学

研究代表者

原口 隆英  東京農工大学, 農学部, 教授 (60014891)

研究分担者 石原 達夫  林業試験場, 次長
福田 清春  東京農工大学, 農学部, 助手 (60015097)
諸星 紀幸  東京農工大学, 農学部, 助教授 (30015078)
キーワードラッカーゼIII / フェノールオキシダーゼ / カワラタケ / 糖鎖 / リグニン生分解 / バイオパルプ化
研究概要

1.ラッカーゼIIIの性質と酵素機能の解明:ゲルろ過による得られた高分子フェノールオキシダーゼ画分Fー1(ここにラッカーゼIIIが含まれる)を, DEAE-TOYOPEARL 650Mカラムを用いて分別し, 中性及び酸性フェノールオキシダーゼをそれぞれ単一蛋白として精製した. 両者の性質を略記すると, 分子量は67000,66000,等電点は4.1,3.2,糖含量は17%,6%,至適pHは6.0,5.0で, それぞれは異なる蛋白分子であると考えられる. また, ウエタンブロッティングの結果から, 中性フェノールオキシダーゼがその活性をもち立体構造を保持している場合, 酸性フェノールオキシダーゼの抗体に対しては抗原抗体反応をおこさないことがわかった. すなわち, 両者の三次元的表面分子構造は異なっているものと推察できる. 次に糖鎖合成阻害剤ツニカマイシン添加による酸性フェノールオキシダーゼのリグニン低分子化能に及ぼす影響を調ベたところ, カワラタケ菌体の生育が若干抑制されたものの酵素活性にはほとど変化がなかった. このことより, この酵素のリグニン低分子化活性に関しては糖鎖はあまり関係をもっていないといってよい. 将来バイオパルプ生産のためにカワラタケからのリグニン分解酵素を遺伝子工学的に大量生産する場合, この事実は甚だ望ましいことといえよう.
2.ラッカーゼIII酵素液による木材試料の処理:ブナ木粉にラッカーゼIII溶液を加え, pH4,40℃で反応させたところ, ジオキサン水可溶分が明らかに増加し, また残渣木粉中のリグニン含量は減少した. 木粉の粒度が細かい程脱リグニン度は上昇し, その値が6%となった例を得た. これらから, 粉砕等の前処理を行えば, ラッカーゼIIIによる脱リグニンも十分に使え, したがってバイオパルプ化に応用可能と考えられる.
3.処理後の反応物の分析:残渣の分析から, シリンギル核の減少と芳香核の重縮合はないことが明らかとなった.

URL: 

公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi