研究課題/領域番号 |
61440022
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 啓 東大, 農学部, 助教授 (90011874)
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研究分担者 |
西県 亮平 , 農学部, 助手 (80172708)
大橋 文人 , 農学部, 助手 (10126013)
高井 信治 生産技術研究所, 講師 (20013188)
佐々木 伸雄 , 農学部, 助教授 (60107414)
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キーワード | 尿毒素 / グアニジン誘導体 / アミン類 / インドール類 / フェノール類 / 中分子量物質 / 陰イオン交換による尿分析 / 高速液体クロマトグラフィー |
研究概要 |
尿毒症時に体内に蓄積する各種の尿毒素(UT)の産生経路、産生・蓄積過程における生体への影響、さらに各UTの相互作用について解明するために、UTとして重要視されているグアニジン誘導体、アミン類、インドール類,フェノール類および中分子量物質の分析を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により開始するとともに、陰イオン交換樹脂を用いたHPLCによる尿毒症関連物質の検索をも実施し、本年度は下記の結果を得た。 1.薬物投与により実験的に作製した尿毒症犬ならびに本学家畜病院に来院した尿毒症犬の尿および血清を試料として、陽イオン交換樹脂を用いたHPLCによるグアニジン誘導体の分析を開始し、尿毒症時に、クレアチニン、クレアチン、メチルグアニジンの体内増加傾向が認められた。 2.従来より指摘されている、上記の各UT以外の尿毒症関連物質の検索として、前記の実験的尿毒症犬の尿分析を実施し、尿毒症の病態と有意な関連を有する可能性のあるいくつかのピークを検出した。 3.アミン類およびインドール類の分析法の確立においては、両UTともに、逆相カラムおよびイオン交換カラムのいづれでも、比較的良好な分析が可能であることが判明した。しかし、尿および血清のアミン類分析では検体の処理が繁雑なため、さらに処理法の若干の検討を行った後、実際の尿毒病動物からの検体の測定を行う予定である。 4.中分子量物質ならびにフェノール類の分析においては、それらの物質の尿中および血液含有量が微量なため、現在市販されている分離カラムでは本研究に適した分析が行えず、現在、新しい分離カラムの開発ならびに検体の濃縮法などの改善により、分析を実施することを検討中である。
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