研究課題/領域番号 |
61440023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
広沢 一成 東大, 医科学研究所, 教授 (30009980)
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研究分担者 |
松本 えみ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20173891)
澤田 元 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90101112)
廣澤 一成 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30009980)
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キーワード | オートラジオグラフィー / 発生学 / ビタミンA / ジャコウネズミ / ワタセジネズミ / ビタミンA貯臓細胞 / 小腸 / 腹部リンパ節 / 肝臓 / 伊東細胞 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
研究課題中オートラジオグラフィーおよび発生学的手技を用いる研究は本年度ある程度の成果を収めることができた。また免疫電顕的研究は現在準備を行っている。(1)ビタミンAの局在オートラジオグラフィーにより検出する研究は、主に、食虫目ジャコウネズミ、およびワタセジネズミについて行われた。ジャコウネズミでは哺乳類とは異るビタミンA貯蔵細胞の生体内勾配が見出され、「病態生理」に「ビタミンA貯蔵細胞は何のためにあるのか」という仮説提唱論文にまとめられた。即ち、その分布をみると消化管壁、特に小腸に多数で、腹部リンパ節についで多く、哺乳類で主たるビタミンA貯蔵部である肝蔵には少なかった。個々の貯蔵細胞形は上述の臓器で共通性が多くみられ、この細胞系の存在を裏づけるものである。脂浩性ビタミンAを電顕用標本とする際の問題点等も標本作製の各過程についてチェックを行い、これらの成果は61年9月に京都市で行われた第11回国際電顕学会においてシンポジウムにより廣澤が発表した。また、ワタセジネズミについては62年4月の解剖学会総会に発表を予定している。in vitroの系においてビタミンA貯蔵能を再現する研究は、ラット肝臓より伊東細胞を分離することからはじめ、培養伊東細胞に【^3H_】ビタミンAを投与し、光学顕微鏡レベルのオートラジオグラフィーによりその取込み能を証明した。これは「肝臓」誌に発表ずみである。更に一般の線維芽細胞におけるビタミンA取込み能はラット皮下組織の細胞を用いてすすめられており、高速液体クロマトグラフィーおよび蛍光顕微鏡、電子顕微鏡により細胞内ビタミンAの存在と、脂質果粒の増加を確認した。この成果は62年4月に日本解剖学会総会に発表の予定である。(2)発生学的研究は周産期マウスニついて行われ、肝臓と肺臓では貯蔵能の出現時期の異ることを形態学的および生化学的に立証し、一部は上述の国際会議で発表された。
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