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1986 年度 実績報告書

脳・腸ペプチドの酸化還元作用と分泌作用との関連

研究課題

研究課題/領域番号 61440025
研究機関北海道大学

研究代表者

菅野 富夫  北海道大学, 獣医学部, 教授 (50009982)

研究分担者 斎藤 敏之  北海道大学, 獣医学部, 助手 (10162215)
キーワードミトコンドリア / チトクロームa(【a_3】),bおよびC+【C_1】 / 酸化還元反応 / 消化酵素放出反応 / 膵液流量上昇反応 / 肥大膵
研究概要

ラット摘出膵血管潅流標本を作製し、その標本の表面にscanning organ spectrophotometer(SOSP)のプローブ先端を置き、腺房細胞内ミトコンドアのチトクロームa(【a_3】),bおよびc+【c_1】の酸化還元反応を連続的に記録した。生理的濃度のコレシストキニン・パンクレオザイミン(CCK:20pM以下)によってその標本を持続的に刺激すると持続的な分泌反応(消化酵素放出反応と膵液流量上昇反応)がみられた。この時、潅流液の溶存酸素濃度が飽和に近い状態にあると、チトクロームの酸化還元反応は変化しなかった。この時の分泌反応は、潅流液中のCa【Cl_2】を除くと完全に抑制されるという結果から、生理的CCK濃度によってひきおこされる反応は【Ca^(2+)】influxによってひきおこされるといえる。潅流液中の溶存酸素濃度を低下させ酸化還元反応と分泌反応とに及ぼす影響を調べた。CCK濃度を100pMに上げると、刺激後一過性に細胞内Ca遊離がおこり続いて持続的に【Ca^(2+)】influxが上昇した。この時の分泌反応とチトクロームの還元反応が潅流液中のCa【Cl_2】濃度によってどのように影響されるかについて定量的に解析し、さらに溶存酸素濃の影響を調べた。
トリプシンインヒビターを慢性的に経口投与し、肥大膵を作製した。摘出膵潅流標本を用いて、正常膵及び肥大膵における静止時、膵液流量及び膵液中のNa,K,Clを測定した。肥大膵では、静止時膵液流量は正常膵に比べ約10倍に増加していた。膵液中のNa,K,Clは肥大膵でそれぞれ、約155mM,4.2mM,155mMであり、正常膵ではそれぞれ、約147mM,4.2mM,130mMであった。特に肥大膵ではCl濃度の上昇が著しかった。以上の結果より、肥大膵ではCl輸送系の増強が示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Habara: Pancreas. 1. 5-12 (1986)

  • [文献書誌] Tomio Kanno: Brain Research. 369. 275-284 (1986)

  • [文献書誌] Tomio Kanno: American Journal of Physiology. 251. C10-C16 (1986)

  • [文献書誌] Toshiyuki Saito: Biomedical Research. 7. 437-443 (1986)

  • [文献書誌] Izumi Shibuya: Biomedical Research. 7(S2). 113-120 (1986)

  • [文献書誌] 菅野富夫: Therapeutic Research. 4. 720-728 (1986)

  • [文献書誌] 日本生化学会 編 菅野富夫: "続生化学実験講座7「情報伝達と細胞応答(下)」膵臓のアミラーゼ分泌" 東京化学同人, 930 (1986)

  • [文献書誌] 光岡知足 監修 菅野富夫: "「犬・猫の下痢症」消化管ホルモンと下痢症" 学窓社, 115 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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