研究課題/領域番号 |
61440030
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橘 正道 千葉大学, 医学部, 教授 (50009081)
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研究分担者 |
園田 智子 千葉大学, 医学部, 教務職員 (20143307)
平良 眞規 千葉大学, 医学部, 助手 (60150083)
石島 純男 千葉大学, 医学部, 助手 (70184520)
鈴木 信夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (90111426)
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キーワード | 核酸前駆体合成 / 細胞内シグナル伝達系 / ホスホリボシルピロリン酸 / ホスホリボシルピロリン酸合成酵素 / ATP結合部位 / 遺伝子構造 / プロテインキナ-ゼ / マグネシウムイオン |
研究概要 |
細胞が外部刺激に応答して活動を増加させるさい、多くは核酸前駆体ーヌクレオチド合成の亢進を伴なう。本研究者らは、ヌクレオチド合成の共通基質であり、かつ鍵制御物質であるホスホリボシルピロリン酸(PRPP)の合成調節に注目して解析を行ない、以下の成績を得た。1.PRPP合成酵素に関する研究(1)機能部位の解析ー精製ラット肝酵素を、基質ATPのアナログであるアデノシントリホスホピリドキサ-ルを用いてアフィニティラベリングし、修飾ペプチドのアミノ酸配列を決定した。これをcDNAの結果とつき合わせたところ、Lysー176が修飾されていた。以前、他のATP結合蛋白との比較からATP結合部位を推定したが、その一つに合致した。なお他にも修飾される可能性があり、その位置の決定が当面の課題である。(2)ゲノムDNAの構造解析ーラットゲノムDNAライブラリ-より、本酵素サブユニットPRS Iの遺伝子をクロ-ニングし、構造解析を行なった。転写プロモ-タ-領域には、他遺伝子との相同性により、CCAATボックス、Sp1結合部位、TATAボックスの存在が予想された。2.培養細胞における核酸前駆体合成の増殖刺激による促進機構の解析。静止期Swiss 3T3細胞を、EGFナインスリンその他の増殖因子で刺激すると、30分以内にPRPPを経る代謝流量が増加する。この応答にはプロテインキナ-ゼの関与が示唆されていた。ダウンレギュレ-ションの結果からCキナ-ゼは否定的であった。チロシンキナ-ゼに特異的なゲニステインはじめ五種類の阻害剤の効果から、チロシンキナ-ゼの関与が考えられた。一方、本応答系は、メジウムのMg^<2+>除去により完全に抑制される。現在、蛍光色素法による細胞内遊離Mg^<2+>濃度の測定が進行中であり、今後、細胞の短期応答におけるマグネシウムの役割や、マグネシウムとプロテインキナ-ゼとの接点の解明が、ますます重要な課題として浮かび上がってきた。
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