研究代表者の東北大学医学部より京都大学医学部への転出に伴い、主要研究設備であるガスクロマト質量分析装置、有機溶剤蒸気曝露装置、液体クロマト分析装置および自動注入器付ガスクロマト分析装置を京都大学医学部公衆衛生学教室に移転させた。移転先の建物は建築後数十年も経た建物であるためガスクロマト質量分析装置を1あるいは2階へ設置することは構造上不可能であり、比較的に重量負荷に堪える地階を選んで、旧低温実験室および旧分析機器室を改造して設置することにした。同室は地階であるため除湿・温熱管理および防水に格別の考慮を払った。また有機溶剤蒸気曝露装置は、装置よりの排ガス防出に際して蒸気吸着装置が付設されているが、万一同装置が一過性に機能不十分となった場合には排ガス中に溶剤蒸気が混入する危険性があり、実験室を汚染し、あるいは他の実験を妨害する恐れがあため、実験室とは別棟の建物を選定し、同棟の一室に収容した。これらの機器について新研究室における細部の調整および習熟運転を行った。また液体クロマト分析装置およびガスクロマト分析装置についても移転に伴う細部の調整、電力の周波数の変化(50サイクルより60サイクルへの変化)に対応する処置など必要な整備を行った。ついでラットをスチレン・モノマ-に、約1ケ月程度反復曝露を行うための予備実験に入り、スチレン・モノマ-の固化をみないための条件、連続運転に際しての排ガス管理、周辺環境への影響を検討した。
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